これが横山典のプライドだ!!/ダービー卿
2008年4月7日 06:00 中山の「第40回ダービー卿チャレンジトロフィー」は、横山典騎乗のサイレントプライドが重賞8度目の挑戦で待望の初制覇を果たした。
これが親父の威厳!!横山典の熟練の技に導かれ、サイレントプライドが初タイトル奪取だ。スタート直後にコーナーを迎える中山1600メートルといえば外枠不利が定説。しかし、通算1868勝の名手はいとも簡単にクリアした。内から誰も行かないと見るやスッとラチに寄せて先手。あとは最短距離を1周。測ったように、ドラゴンウェルズの追撃を首差振り切った。
満面の笑みで引き揚げてきた横山典は「してやったりというか、先週の落馬で今週乗れるかも怪しかったので本当にうれしい。外枠だったが、レースが上手なのでなるべく行こうと思っていた。気弱な面があるけど、きょうは外から(2着馬に)来られた時にもうひと頑張りしてくれたね」と重賞通算96勝目の美酒に酔いしれた。
「ジョッキー(横山典)に尽きる。外枠は不利なのにいつの間にかレースをつくってしまう。あの辺が凄い。やっぱり一級品だね」と国枝師は名手の手腕を大絶賛した。横山典といえば、先週3月29日の中山競馬で落馬し、右腰部、左大腿部を打撲。翌30日は大事をとって騎乗をキャンセルした。プライドが最終追いを行った2日、長男・和生(15)の競馬学校の入学式に出席。この日は足を引きずりながらも、ファンの期待に応えた。昨夏の札幌記念では同期の僚馬マツリダゴッホではなく、プライドを選択した経緯もあった。父の威厳を見せるような好プレーに、横山典は「ここ2戦は駄目だったが、もっとやれる馬と信じていた。ファンの心配をかけたし結果を出せてうれしい。息子の入学?まだ(学校に)受かっただけだから…」と笑顔で結んだ。
先週、日経賞を勝ったゴッホは勇躍香港へ。一方のプライドは安田記念(6月8日、東京)が大目標になりそうだ。「これでゴッホの背中が少し見えたかな」と国枝師。同期2頭が熱い火花を散らす春シーズン。名手の腕で開花したプライドに、中山の満開の桜も花を添えていた。
▼サイレントプライド 父フレンチデピュティ 母サイレントプレアー(サンデーサイレンス)牡5歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績16戦7勝 総獲得賞金1億7331万2000円。