4歳牝世代にまた大物!スリープレス重賞連勝
2008年8月18日 06:00 小倉の「第43回北九州記念」は1番人気の上村スリープレスナイトが圧勝し、6F重賞連覇。スプリントG1戦線の主役に躍り出た。
速い!強い!横綱相撲での電撃重賞V2だ。断然の1番人気スリープレスナイトはプラス10キロの馬体重で登場。さらに、筋肉の鎧(よろい)を増した牝馬に、道悪も、56キロのトップハンデも一切影響しなかった。好スタートから道中は楽に前々でレースを進める。そして最後の直線、いとも簡単に抜け出して2馬身差。ゴール前では手綱を緩める余裕もあった。上村は納得の表情で振り返った。
「この馬の強さを再認識させられました。トップハンデと雨馬場を考慮して乗りましたが、何の問題もなかったですね。G1という目標が現実のものになってきている」
ジョッキー自身にとって前走・CBC賞は約9年7カ月ぶりの重賞V。目の病気で苦しんだ時期を乗り越えての美酒だった。今回の勝利はまた違った味。喜びは、大舞台への確かな手応えへと変わった。
橋口師にとっては自信を持って臨んだ一戦だった。当初は同厩のカノヤザクラも参戦する予定だったが、体調不十分と判断して回避。それも「この馬がいたから。いなかったら使っている」と言うほど。レース後は笑顔で愛馬を絶賛した。
「うれしいというか、ホッとした。気持ちの中では“絶対勝つ”と思っていたから。時計も速いし、内容も満点。金メダルを3つあげたいぐらい」
これで4連勝。次はスプリンターズS(10月5日、中山)直行が濃厚。騎手、調教師ともサマースプリント女王ではなく、さらにその上、G1を狙っている。新星から主役へ。この夏、スプリント界の勢力図が変わった。
▼スリープレスナイト 父クロフネ 母ホワットケイティーディド(母の父ヌレエフ)牝4歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績15戦8勝 主な勝ち鞍は08年CBC賞、北九州記念 総獲得賞金2億1124万9000円。