メルベイユ3歳勢を“小娘扱い”/クイーンS

2008年8月18日 06:00

クイーンSを制したヤマニンメルベイユ

 熟女が、ミス桜もアイドルも手玉に取った!北の女王決定戦「第56回クイーンS」が17日、札幌で行われ、柴山騎乗の6歳ヤマニンメルベイユが逃げ切り、3月の中山牝馬S以来となる重賞2勝目。直線追い込んだレジネッタは2着、白毛馬ユキチャンは伸びず9着に終わった。

 きれいに芝が生えそろった札幌開幕週のターフを、さっそうと駆け抜けた。好発からハナを切った2番人気ヤマニンメルベイユは直線入り口でも余力十分の手応え。スッと後続を引き離すとゴール前も追撃を許さない。最後は2着レジネッタに2馬身差をつけ、今年3月の中山牝馬Sに続く2度目の重賞Vを飾った。柴山が気持ち良さそうに汗をぬぐう。
 「行けたら行っちゃおうと思っていた。他に行く馬もいなかったからね。これまで何度も乗せてもらっているし、きょうは自信を持って乗ろうと。強気の競馬をしてどこまでやれるかと思っていた」
 春の最終戦・ヴィクトリアマイルが道中2番手から粘りに粘って4着。G1舞台での力走はフロックでも何でもなかった。あの走りこそ成長の証。もう6歳夏とはいえ、まだ大きな伸びしろを残している。柴山が笑顔で続けた。
 「スタートしてから落ち着いていたし、今までで一番ゆったり走っていた。力をつけているよ。乗るたびに良くなっている。秋が楽しみになったね」
 今年の北の女王を決める一戦は白毛馬ユキチャンや今春の牝馬クラシック上位陣といった3歳馬が話題の中心となっていた。それでも終わってみれば出走メンバー中、唯一の古馬オープン馬が存在感を示した形だ。栗田助手が喜びの声を伝えた。
 「もう年だけど、キャリアを積んできたことが、この馬にとってはいい方に出ている。強い勝ち方をしてくれたし、秋に向けて弾みがつきましたね」
 今後は錦岡牧場(北海道新冠町)への放牧を挟み、府中牝馬S(10月19日、東京)→エリザベス女王杯(11月16日、京都)のローテーションが有力。円熟味あふれる6歳馬が秋のG1戦線を歩んでいく。

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