高橋成師の勝算「ここまでは完ぺきやな」/JC

2008年11月26日 06:00

<ジャパンC>昨年の借りを返したいメイショウサムソン

 日本最強の座は譲れない。3世代のダービー馬が顔をそろえた中、最年長の意地を見せたいのがメイショウサムソンだ。フランスに遠征した前走・凱旋門賞は不完全燃焼の10着に終わったが、その疲れもすっかり回復して、高橋成忠師(68)は出来の良さに自信満々。巻き返しを期すベテラントレーナーに熱い胸の内を聞いた。

 ――凱旋門賞は残念な結果に終わったが、帰国してからの調整の状況は?
 高橋成師 凱旋門賞でも馬そのものは非常に良く見えたが、やっぱり向こうとこちらでは競馬が違うね。不完全燃焼に終わってしまったのは確か。道中は縦長でばらけているように見えても、コーナー、コーナーでは苦しい場面が何度もあったからね。ただ、このままで終わる馬じゃない。栗東に帰ってきてからはうんと落ち着いているし、“ここまでは完ぺきやな”という状態で1週前追い切りもできた。
 ――その1週前追いはDWコースの併せ馬(6F79秒6~1F12秒2)でしっかりやった。
 併せた相手(ファンドリコンドル)も調教駆けするし、乗っていた調教助手は騎手よりも15キロは体重が重いから、見かけ以上にいい調教になっている。本当にうまく仕上がっているし、気持ちも乗っているね。今の馬の雰囲気は、インフルエンザ騒動の後で1度立て直した昨年の天皇賞・秋とよく似ている。あの時は非常に強い競馬をしてくれたからね。
 ――今春の一連のレースと比べても状態は上と見ている?
 正直春に使いだした頃は全くだった。仕上がり途上で大阪杯を使って、天皇賞・春にはギリギリ間に合わせた感じ。ビシビシとやって馬もきつかったと思う。昨年の天皇賞・秋を見ても、直前はやり過ぎない方がいい。デリケートなところがあるから、馬の気持ちが大事。今回は最高の状態で競馬をしたいと思ってやってきたし、そういう出来になっているよ。
 ――3世代のダービー馬の豪華対決に最年長馬として出陣する。相手関係はどう見ている?
 大阪杯では最低の状態でダイワスカーレットにやられたけど、あれだってそんなに差はなかった(0秒5差の6着)。それを考えれば今年の天皇賞・秋の上位馬とも十分にやれるはず。実際、ウオッカには昨年1度も負けていないからね(宝塚記念、ジャパンC、有馬記念と3戦してすべて先着)。海外とはいえ、こちらは2400メートルを使ってきているし、2000メートルからよりはいいと思う。
 ――一昨年が2冠、昨年は天皇賞春秋制覇を達成。年内での引退を予定しているだけに、もうひと花咲かせたい気持ちは強い。
 うちに転厩してくる前にG1を2勝、うちに来てからも2勝。何とかもう1つ獲らんとな。有馬記念がどうとか、この後のことは考えずに、ここに全力投球のつもりでやってきている。ここに集中していける雰囲気になっているのは間違いないよ。
 ――不運なアクシデントで乗り代わりとなったが。
 石橋君には今週の稽古も乗ってもらえるようになったし、乗り慣れた騎手だから乗り代わりという感じもしない。安心していますよ。

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