あえて言う やっぱり金杯は初日でしょ

2008年11月26日 08:06

 【走論書く論 岡本草太】18日に発表された来年の開催日程。金杯の分離開催には軽い衝撃すら受けた。来年の中央競馬は36年ぶりに1月4日に開幕。中山金杯は初日の4日に行われるが、スポニチ賞京都金杯は2日目の5日に組まれた。京都金杯は本社杯でもあり、あまり過激なことは書きづらいが、あえて言いたい。やっぱり金杯は初日じゃなきゃ駄目でしょ!
 記者は一ファン時代から金杯が好きだった。年の初めはいつも以上に真剣に予想して金杯に臨み、当たれば「予想スタイルは今年もこれで大丈夫!」と祝杯を挙げ、外れた場合は予想の過程の何がまずかったかを納得がいくまで反省する。運試しであると同時に1年の指針となるレースでもあるのだ。
 分離開催でも中山金杯は初日なのだからいいではないかという声もあろう。しかし、西日本のファンの立場に立てば、そうとは言えない。もちろん全国のすべてのレースが買える現在、西日本のファンも中山金杯を買うだろうが、“馬券始め”はできれば地元エリアのレースでしたいもの。今年の金杯での現金投票の発売比率を見ると、中山金杯は70%以上が東日本で売れている。もともと東日本の方が売り上げが多いこともあり、京都金杯でも東日本は約48%を占めるが、ファンが地元エリアの金杯を重視していることは明白であり、当然でもある。
 JRAは「来年は4日開幕という特殊なケースであり、一方で金杯は5日というファンの認識もある」と説明する。確かに中山金杯は“従来通りに初日”、京都金杯も“従来通りに5日”という理屈は分からないでもない。しかし、それだけか?例えば、先週末のように祝日が絡んだ場合の変則3日間開催は、売り上げ増の効果がある。目玉レースも同様。両金杯の開催日を別にすることで売り上げ増が見込めるのだ。
 東日本のファンにとっては、来年は普段の金杯と変わらない。しかし、来年以降はどうか。JRAは「来年については未定」と話すが、今年と逆に京都金杯が初日で中山金杯が2日目となることも考えられる。
 今年のG2、G3の売り上げを比べると、京都金杯の約85億円が1位で、中山金杯の約81億円が2位。両金杯はただのG3ではない。新春の風物詩と言ってもいい。分離開催によってその独特の風情が失われることになれば、JRAにとっても大きな打撃だと思うのだが。

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