藤井氏 2週連続2代制覇なるか

2008年12月16日 07:55

 【藤井正弘の血統トピック】ゴール前は馬なり、というよりクールダウンに入っていたようにも見えた阪神JFの安藤勝騎手=ブエナビスタのコンビ。2着ダノンベルベールとの着差は2馬身半だったが、4角大外から15頭をひとのみにした“ワープ”のインパクトは、ほとんど大差勝ちに近いものがあった。血統的期待値込みで膨れ上がった下馬評のはるか上を行く圧倒的スケールの2歳女王誕生である。ちなみに母のビワハイジはダービーに挑んだ(13着)数少ない牝馬。どうやら“2代制覇”の後には、牡馬クラシックへの挑戦を宿命づけられている感じだが、それは極めて現実的な選択肢でもあるだろう。
 “母子2代”の2歳女王に触発されたのか、今週の朝日杯フューチュリティSには“父子2代”を狙う歴代優勝馬の産駒が4頭登録してきた。グラスワンダー(第49回)産駒のセイウンワンダー、アドマイヤコジーン(第50回)産駒のオメガユリシス、エイシンプレストン(第51回)産駒のケンブリッジエル、そしてフジキセキ(第46回)産駒のサトノエクスプレスである。
 中でも新潟2歳Sの覇者セイウンワンダーは、ジャパンCのスクリーンヒーロー、鳴尾記念のサクラメガワンダーが相次いで血統的潜在能力の高さを実証してみせた「母の父サンデーサイレンス」のグラスワンダー産駒。4代母アイレバースの1歳下の弟ミホランザンが73年の優勝馬という、このレースゆかりの牝系でもある。2週続きの“2代制覇”というシナリオも想定しておきたい。(サラブレッド血統センター)

特集

2008年12月16日のニュース