“シンデレラボーイ”パンプキン/朝日杯FS
2008年12月16日 06:00 まだ実戦を2度経験しただけ。ミッキーパンプキンは重賞で戦ったこともない。キャリアで言えば他の有力馬に見劣るかもしれないが、いきなりのG1でも能力はヒケを取らない。前走・萩Sの勝ちっぷりはそれだけの可能性を感じさせた。芝1400メートルの新馬戦を逃げ切り、続く1800メートルの萩Sではハナを切ったものの道中は終始力んで走っていた。並の馬ならとてもゴールまでスタミナがもたないところ。それが直線、2番手から詰め寄るキングスレガリアを1馬身突き放して2連勝を飾った。担当の今井助手は驚きまじりにこう振り返る。
「前走はずっと掛かっていて駄目だなって思ったんですけど、能力で押し切ってくれました。あれだけ折り合いを欠いていたのに上がりはメンバー最速(3F34秒6)。やっぱり力はありますね」
入厩当初から素質は際立っていたという。早い時期にオープンまで上がる器。厩舎スタッフのそんな期待通りの走りだ。父がダンスインザダークで距離が延びて良さそうな配合。ただ、現状ではスピードが勝ったタイプだけに1800メートルからマイルへの1F短縮がピタリとハマる可能性が高い。
「スピードを生かすには現時点ではマイルが一番いいんじゃないかな。今回コンビを組むペリエ騎手も先々週の追い切りでいい感触をつかんでくれたみたい。この中間、何の問題もなく本当に順調に来ているし楽しみですね」。今井助手は初めての長距離輸送や同型との兼ね合いを「未知数」としているが、その口調から伝わるのは不安より期待の大きさ。2連勝の勢いと出来の良さに懸けてみたい。