【セントライト記念】レイエンダ、4連勝へ加速 楽々12秒4
2018年9月14日 05:30 Wコースの4コーナー手前。ペースアップした愛馬レイエンダの動きを、鋭い眼光で追っていた藤沢和師が感嘆の声を上げた。
「ハミ掛かりがいい。この馬、速いよな?高速道路でも、トップスピードに乗った車を後ろから追い抜くのは大変なこと。速くなってからスーッと行けるのがいい。そういえば、おばあちゃん(レディブロンド)も走りたがる馬だった」
向正面の残り4F地点では前を行くペイドメルヴェイユ(4歳1000万)との差は5馬身はあった。それが一瞬で前に取りつき、直線では鞍上・杉原(レースはルメール騎乗)のゴーサインに二段加速。4F54秒1〜1F12秒4(馬なり)。豪快なストライドで楽々併入でゴールした後は完全に抜き去る勢いだった。杉原は「素晴らしい馬。夏を越してパワーアップしている。前向きさもある。それにこれぐらい緩いペースでも我慢できている。“10速”ぐらいありますね」と超高性能ギアチェンジに加えて、操縦性の確かさに感心しきりだ。
昨年のダービー馬レイデオロの全弟。昨夏札幌新馬戦V後に膝の骨折が判明して春のクラシックは出走できなかったが、5月東京の夏木立賞→7月函館の松前特別をワンサイドの完勝で無傷3連勝。指揮官は「速いところにいっていいのがこの血統の長所。トライアルは休み明けで使う馬も多いので夏に1回使っているのもいいと思う。ただ今回は本当のオープン馬相手。無傷で勝ち続けるのは難しいこと」と楽観視せず、試金石と位置付けている。
前走・松前特別の1分59秒3は、同開催のG3函館記念(1分59秒8=勝ち馬エアアンセム)を上回る好時計。現在準オープンの身でも、数字は完全に重賞レベルに達している。同師は「今回の内容次第で今後は決まってくる。天皇賞・秋やジャパンC。(同世代同士の)菊花賞も考えなきゃいけない。同じ馬主さんだけど、いずれはお兄ちゃん(レイデオロ)と一緒に走らせたいね」と無敗街道&G1進出をはっきりと見据えている。