【みやこS】クリンチャー 芝&ダ重賞W制覇!18年京都記念から2年9カ月ぶり“美酒”

2020年11月9日 05:30

<みやこS>芝ダート双方で重賞を制覇したクリンチャー(撮影・平嶋 理子)

 芝で重賞(18年京都記念)を勝った。凱旋門賞(18年=17着)にも行った。だが、その京都記念から2年9カ月もの間、クリンチャーは白星から遠ざかった。ついにつかんだ久々の美酒はダート。初コンビで大役を果たした川田は「たくさん映像を見て、特長を生かそうと思った。無事に結果を出せて何よりです」と語った。

 “特長”とは粘り強さ。「返し馬から瞬発力の(ある)馬ではないと感じた」(川田)。決め手勝負を嫌い、3角すぎから早めに前を捉えにいく。逃げたベストタッチダウンが最下位10着に沈むほどの厳しいペースをつくり出し、直線残り300メートルで先頭に立つと、あとはちぎった。終わってみれば3馬身差の快勝。ダート転向7戦目でついに芝&ダート重賞制覇をつかんだ。「終始、やる気を持たせていい雰囲気でした。久しぶりに勝てて何より。このまま次に向かっていければ」。さすがの誘導ぶり。川田の決断なしで、この美酒はあり得なかった。

 宮本師にとっても思い入れのある馬。大きな1勝だ。「凱旋門賞に連れて行ってくれた。クラシックも皆勤した馬だからね」。この勝利でチャンピオンズC(12月6日、中京)の優先出走権を手にしたが「こんなにヘロヘロになった姿を見るのは久しぶり。この後は様子を見てから決めます」。肉を切らせて骨を断った1勝。疲労は大きいが得たものも大きかった。これで波に乗れる。馬名の由来「決定打」をついに見つけた優勝劇だった。

 ◆クリンチャー 父ディープスカイ 母ザフェイツ(母の父ブライアンズタイム)14年3月10日生まれ 牡6歳 栗東・宮本博厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新冠町の平山牧場 戦績25戦4勝(うち海外2戦0勝、重賞2勝目) 総獲得賞金3億465万4000円。

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