【AR共和国杯】ルメール“無双状態”重賞3連勝!オーソリティG1へ弾みのV

2020年11月9日 05:30

<第58回アルゼンチン共和国杯>オーソリティでレースを制したルメール

 G2「第58回アルゼンチン共和国杯」が8日、東京競馬場で行われ、3番人気の3歳馬オーソリティが快勝。5月の青葉賞に続き重賞連勝を飾った。鞍上のクリストフ・ルメール(41)は先週の天皇賞・秋(アーモンドアイ)、土曜の京王杯2歳S(モントライゼ)に続き、JRA重賞騎乗機会3連勝となった。阪神のダートG3「第10回みやこS」は1番人気クリンチャーが圧勝。芝、ダート両重賞制覇を達成した。

 「ホーソーセキ、ホーソーセキ(放送席)」。オーソリティをVへと導いたルメールはご機嫌。中継インタビュアーの決まり文句を自ら口にして喜色満面でお立ち台へ。「直線の手応えが良かったし長く脚を使う馬なので少しずつ加速した。坂を上り切ってからトップスピードに。ゴールまで止まらなかった」。好位3番手から抜け出し、2着に1馬身半差。文句なしの完勝に笑みが絶えなかった。

 アーモンドアイの天皇賞・秋では「プレッシャーがきつかった」と涙した。肩の荷が下りたか、前日の京王杯2歳Sもモントライゼで制し、これで重賞騎乗機会3連勝。菊花賞から5連続連対のおまけつきだ。土日共に初コンビで結果を出すのは、さすがのひと言。リーディング独走の名手が無双モードに突入だ。この日も3勝を積み上げ、重賞VがJRA通算1299勝目。「(区切りの1300勝を)ここで決めたかったが…。また次で頑張ります。おおきに」とおどけた。

 管理する木村師にとっても感慨深い1勝だ。「1角の入りが良かったのでワクワク感を持って見ていた」。春は青葉賞を制したが、直後に左前脚の骨折が判明。ダービーを断念した。「残念だった」とこぼすが、ケガの功名もあった。「元々、爪が弱く伸びも悪い馬。2歳時はそれで苦労した。骨折部分に不安はなく、むしろ休んだことで爪がしっかり伸びた。パワーもついて調教も難しかったが攻めたことがいい方に出た」と振り返った。

 次走は明言しなかったが「大きなレースに使わせてもらえれば」と師。「できればファンの方に盛り上げてほしい」と投票で出走馬が決まる有馬記念(12月27日、中山)が視野にあることを示唆した。骨折明け、半年ぶり、初の古馬相手、大外枠。数あるハードルをあっさり克服。G1舞台がはっきりと見えた完勝だった。

 ◆オーソリティ 父オルフェーヴル 母ロザリンド(母の父シンボリクリスエス)17年2月12日生まれ 牡3歳 美浦・木村哲也厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績6戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億5778万6000円。馬名の由来は権威、威信。牡馬3冠を達成した父のような活躍を願って。

特集

2020年11月9日のニュース