【ジャパンC】アーモンドアイ・シルクR米本代表、絶好舞台で世界をひきつける走りを

2020年11月27日 05:30

シルクレーシング・米本代表

 アーモンドアイを所有するシルクレーシングの米本昌史代表取締役も万感の思いで同馬の引退レースを見守ることになる一人だ。「(秋2戦目は)ジャパンCと早い段階から国枝先生と決めていました。“いつ放牧に出す、こういうチェックがある”と一つも遅らせることができないプランを練り、前走後の様子から判断して当初のシナリオ通りこられました」

 7つの芝G1で史上最多の8勝をマークしたアーモンドアイ。中でも、米本氏は2分20秒6の驚がくレコードで制した18年ジャパンCの印象が強いと語る。「振り返ってもあれがベストパフォーマンスだったんじゃないかと。道中の馬群への取り付き方、メンタルを含めて本当に強い内容。凄く良い形で運んでいたキセキを捉えましたしね」。ラストランとしてこれ以上ない舞台。全能力を出し切り、悔いは残さない。

 ライバルの3冠馬2頭とアーモンドアイは最初で最後の対決。しかし、クラブとしてはサリオス、リアアメリアなどで苦汁をなめさせられてきた。米本代表は「サリオスも凄く強い馬なんですけど、コントレイルは距離があっても脚を使ってくる。皐月賞は外から回って本当に強かったです。デアリングタクトも毎回凄い末脚で、実際にオークスを制しているように府中も合いますからね」と警戒を強めた。

 数々のG1馬を擁するシルクレーシングにおいても、アーモンドアイがクラブにもたらした影響は計り知れない。同氏は「海外でもアーモンドアイに限らず、うちの勝負服の馬を見ているよと多くの方に言っていただけるようになりました。アスリートとしての能力はもちろん、人をひきつけるほど可愛いビジュアル。クラブのアイコン的な存在です。感謝しかありません」と愛馬への思いを語る。最高の孝行娘は、最後まで「水色、赤玉霰(あられ)、袖赤一本輪」の強さをアピールしてターフを去る。 

 ◆米本 昌史(よねもと・まさし)1975年(昭50)1月21日生まれ、東京都出身の45歳。不動産業界のデベロッパーを経て、12年ノーザンファーム入社。13年からシルクレーシングの経営に携わり、14年代表取締役に就任。趣味はゴルフ。

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