【朝日杯FS】グレナディアガーズ レコード2歳王者!5年ぶり1勝馬Vに中内田師も喜び「期待通り」

2020年12月21日 05:30

<朝日杯FS>好位から手応えよく抜け出し快勝したグレナディアガーズ(左手前)(撮影・坂田 高浩)

 新星は突然やってきた。2歳マイル王を決するG1「第72回朝日杯FS」が20日、阪神競馬場で行われ、7番人気グレナディアガーズが好位追走から早めに抜け出して快勝。勝ちタイム1分32秒3は2歳コースレコードとなった。未勝利を勝ったばかりで1勝馬の勝利は15年リオンディーズ以来5年ぶり。川田将雅(35)と中内田充正師(42)のコンビは17年ダノンプレミアム以来、3年ぶりの勝利となった。

 超良血が目覚めた。未勝利勝ちからG1に挑んだグレナディアガーズ。残り200メートルで先頭に立つと、迫るステラヴェローチェ&レッドベルオーブの人気2頭を抑えてゴールに飛び込んだ。勝ち時計は1分32秒3の2歳コースレコード。7番人気とは思えない洗練されたレースぶりに場内からは拍手だ。馬上でスタンドに向けて深く一礼。7年連続でJRA・G1を制した川田は喜びを口にした。「デビュー前から素質を感じていた。こうして結果が出たことが何よりうれしい。性格の難しい馬で気分を害さないよう、気持ち良く走れる競馬をとイメージしました」

 ルメール騎乗モントライゼの大逃げにも慌てず、離れた先行集団で折り合いに専念。きっちり差し切った。「後ろを待つより捉えにいくことを選択。最後までしっかり能力を出し切ってくれました」(川田)。さすがの判断だった。

 今年のG1戦線を席巻するサンデーレーシングの所有馬。父は14戦無敗で欧州年度代表馬に2度輝いたフランケル。母も現役時代に米国のBCフィリー&メアスプリントを制した名牝。募集価格は1億2000万円。2歳G1・3勝目を挙げた中内田師も「素晴らしい血統。デビュー前から大きいところを獲れるんじゃないかと期待していた」と喜びをかみしめた。

 非凡な能力を秘めるが気性面で力を発揮できないレースが続いた。初勝利を挙げた3戦目からはメンコを着け、馬具も工夫。師は「フランケル産駒らしく難しい面を見せる。今回は前走と同じくらいの雰囲気で臨めた」。G1でも未勝利と同じ雰囲気。これがポイントだった。

 師は続けた。「マイルを持ってくれたなというのが率直な感想。これ以上距離を延ばすのは視野に入っていない」。適性は見抜いた。自分の土俵で新年も白星を重ねていく。

 ◆グレナディアガーズ 父フランケル、母ウェイヴェルアベニュー(母の父ハーリントン)18年2月4日生まれ 牡2歳 栗東・中内田充正厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金7981万8000円。馬名の由来はイングランドの擲(てき)弾兵近衛連隊。

 ≪対前年比アップ≫朝日杯FSの売り上げは150億977万4800円で対前年比106.9%とアップ。

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