【有馬記念】ルメール“無双”締めだ!フィエールマンと「ビッグチャンス」 G1年間最多8勝さらに伸ばす

2020年12月21日 05:30

フィエールマンと有馬記念に臨むルメール騎手

 グランプリウイークがいよいよ幕を開けた。今週末と迫った「第65回有馬記念」(27日、中山)。8頭のG1馬が名を連ねる伝統の一戦の最大の注目は、天皇賞・春を制したフィエールマン(牡5=手塚)とコンビを組むクリストフ・ルメール(41)。今年の無双ぶりは目覚ましく、4連勝を含む、最多タイのG1・8勝。自信満々のその胸の内を激白した。

 ルメールに逆らうのは無謀――。今年のG1、誰もがそう思った。すでにJRA・G1年間8勝。自身が18年に打ち立てた最多勝に並んだ。圧巻は天皇賞・秋からの「実施機会4連勝」。マイルCS(グランアレグリア)では厳しい包囲網を突破。ジャパンCではアーモンドアイで3歳無敗3冠馬2頭をねじ伏せ、競馬に新たな歴史を刻んだ。

 「ケガも騎乗停止もなく、いい一年だった。G1を多く勝てたのは関係者やファンのおかげ。コロナの中、競馬をずっとやれたのだから」。年間の平地G1は24鞍。その3分の1をすでに制し、ホープフルSと有馬記念を残している。前人未到、今後破ることは相当に難しいG1・10勝の可能性すらある。JRAでの獲得賞金は44億516万2000円。18年に自身が記録した46億6023万5000円を突破して年間最高獲得賞金をマークする可能性は十分だ。

 有馬記念への思いは特別。一年の締めくくりにファン投票で出走馬が決まるレースは唯一無二。世界で一番、馬券が売れることも知っている。「好きなレースだし思い入れもある。ハーツクライで勝った時(05年)はディープインパクト(2着)もいたし特別なレースになった。日本の騎手全員が勝ちたいレースを初めての騎乗で勝ってしまったよ。16年サトノダイヤモンドもいい思い出。超うれしかったね。感動した」

 今年の相棒はフィエールマン。天皇賞・春連覇の偉業を達成し、その特徴は知り尽くしている。「速いペースを長く維持できる。瞬発力はそんなにないが3~4コーナーでペースアップしながら、ずっと伸びてくる。だから2400メートル以上に強い」。天皇賞・秋はアーモンドアイ(1着)に乗り、福永祐一に手綱を任せた(2着)が、その走りは間近でしっかりチェックした。「凄くいい競馬をしていたよ。ただ、2000メートルだったからね。ゴール後にトップスピードを迎えたかも(笑い)」。そして状態面にも言及した。「天皇賞から有馬記念というのは、ちょうどいい間隔。トップコンディションになると思う。去年の有馬は4着。凱旋門賞から帰国した直後だった。今年の方が状態はいいはずだよ」

 最後にファンに向けて、こう語った。「日本で一番強いアーモンドアイが引退したからね。状態さえ良ければビッグチャンスだよ。楽しみにしてください」。ルメールのガッツポーズで始まった(フェブラリーS=モズアスコット)今年のG1。締めくくりも決めて、無双の一年をフィニッシュする。

 ◇クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ、フランス出身の41歳。99年に母国でデビュー。02年から短期免許で来日し、05年有馬記念をハーツクライで制してJRA・G1(重賞)初V。15年にJRA騎手免許取得。18年、215勝を挙げJRA年間最多勝。昨年は8大競走完全制覇。今年も年間200勝(現在202勝)突破。JRA通算6319戦1323勝。JRA重賞107勝、うちG1・35勝。1メートル63、53キロ。血液型B。

特集

2020年12月21日のニュース