【毎日王冠】大人のシュネルマイスターだ!Wコースで仕掛けてぐんぐん加速
2021年10月7日 05:30 凱旋門賞に続き、G1前哨戦で吹き抜けるのはドイツ旋風。東京開幕週のメイン「第72回毎日王冠」(10日)の追い切りが6日、美浦&栗東トレセンで行われ、母に独オークス馬を持つドイツ産の3歳馬シュネルマイスターが抜群の切れを披露した。
スラリとした手脚に品のあるたたずまい。優雅に馬場へ入っていくのは3歳の良血シュネルマイスターだ。欧州マイルG14勝の父キングマンに、母はドイツ生まれで現地オークスを制したセリエンホルデ。3日の凱旋門賞をドイツ馬トルカータータッソが優勝し、その身に流れる「GER(ジャーマニー)」の血は今、世界的な注目を集める。ルメールは「ドイツ馬はタフな馬が多いね。この馬も距離は2000メートルくらいまでは全然大丈夫だよ」と不敵に笑った。
最終追いは同じく毎日王冠出走のマイネルファンロン(6歳オープン)とWコースへ。僚馬の4馬身後ろで気負いなく道中をクリアする。内へ入った直線は軽く仕掛けられると力強く加速。ウッドチップを高くかき上げ1馬身先着した。手塚師は「先週の追い切りよりいい感じですね。春の煮詰まった感じもないし、精神的にもずっといい状態」と出来に太鼓判を押した。
春はクラシックに向かわず、NHKマイルC(1着)、安田記念(3着)とG1でスピードを証明。マイル戦線に新星としてきらめいた。だが、師は「春より背が伸びてスラッとしてきた。筋肉質な馬になるのかなと思ったが、母系が長いところ向きだし、しなやかな体つきに。体形からも1800メートルは大丈夫」と説明。“マイル馬が1800メートルをこなせるか”という毎日王冠の命題は同馬にとっては不問となる。
ダノンキングリー、グランアレグリアの3着だった安田記念のリベンジは、次に見据えるマイルCS(11月21日、阪神)で。この日、他馬の調教で美浦を訪れたルメールは「春はまだ緩さがあったから大人になった秋は楽しみだね。彼は能力がありますよ」と言葉に自信をにじませる。ドイツから吹いた風に背を押され、秋の快進撃が始まる。
【サリオスと同族距離克服いける】シュネルマイスターは、昨年の毎日王冠を3歳で制したサリオスと3代母(ザルデ)が同じという同族。サリオスの母サロミナは12年に、シュネルの母セリエンホルデは16年にそれぞれ独オークスを制している。ハーツクライ産駒のサリオスはマイルG1朝日杯FSを制し、皐月賞、ダービーで2着。シュネルの父キングマンはマイル志向が強いが、2000メートルの弥生賞2着の実績があり、母系から距離克服の下地は十分にある。