誇らしかった01年凱旋門賞デー豊の活躍

2021年10月8日 05:30

武豊

 長引く新型コロナウイルス騒動のただ中だが、ありがたいことに仕事をいただけたので凱旋門賞(G1)を見てきた。

 第100回のメモリアルレースとなった今年、非欧州圏の騎手としては群を抜く9回目の騎乗を果たしたのが武豊騎手だ。

 彼がこの世界最高峰ともいわれるレースに初めて騎乗したのが1994年。当時、専門紙に勤めていた私は日本から声援を送ったが、2度目の騎乗となった2001年以降の8回は全て現地で観戦している。

 今回の渡航中にはそんな昔話にも花が咲いたのだが、特に個人的に印象に残ったのは01年のサガシティ。フランスの絶対的リーディングであるA・ファーヴル調教師が管理するこの馬で、当時32歳の日本の天才騎手は3着。1、2番人気が1、2着する中、伏兵で見事に善戦してみせた。

 この年の凱旋門賞には日本馬は出走していなかったこともあり、日本人がほとんどいない中での素晴らしい仕事ぶりに、現場に立ち会ったこちらまで誇らしい気分になったものだ。

 ちなみにこの約2時間前にはアベイユドロンシャン賞(G1)が行われ、同騎手はインペリアルビューティを駆って優勝。サガシティともども、日本人関係者の息が全くかかっていない馬で結果を残してみせた。

 ところでこのインペリアルビューティは当時、フランスで開業し、武豊騎手を日本からわざわざ呼び寄せたJ・ハモンド調教師(引退)が管理していたのだが、転厩前の99年にもアベイユドロンシャン賞に出走。この時は欧州の名手P・エデリー騎手(故人)が乗り2着で、勝利したのが武豊騎手騎乗のアグネスワールド(栗東・森秀行厩舎)だった。

 また、武豊騎手でG1を勝利した際のオーナーはJ・マグナー夫人&M・テイバー氏。いわゆるクールモアブランドだった。今年の凱旋門賞で日本のNo・1ジョッキーが騎乗したブルームが松島正昭オーナーとクールモアの共同馬主なのは有名だが、鞍上は古くから縁があったのだ。

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