【有馬記念】アスリートが語る、アスリートの沸点~武藤弘樹~
2021年12月24日 13:40 中央競馬の一年を締めくくる「第66回有馬記念」は26日、中山競馬場で行われる。多くのドラマが生まれて盛り上がった2021年の競馬界。スポーツ界のトップアスリートは競馬界のビッグレースをどのように捉えているのか。アーチェリーの武藤弘樹(24=トヨタ自動車)に有馬記念に込める思いを聞いた。
2021年は、本当にできすぎたなという1年でした。夢の舞台に立ち、ひとつの夢であった東京大会でのメダル獲得を達成できました。そこで一旦夢が終わったように見えはしたんですけど、結果は3位でしたし、僕らアスリートはやっぱり1位を目指す生き物なので次はまた金メダルを獲りたいという新しい夢ができた1年だったなと思います。
競走馬は、レースを走るということに向けてアスリートと同様コンディションを整えていると思いますし、筋肉質というか無駄なものが付いていないなというのが印象的です。競馬とアーチェリーの共通点は、ほんの少しの差で勝者が決まる、ということだと思います。競馬は長い距離を走ってきても数センチの差で決まることがありますし、アーチェリーの試合は射量288本とかたくさん撃って結局1位と2位の差が2点だったりするので。ほとんど誤差みたいな世界です。その部分からも似ているなと感じますね。
もし自分を過去の優勝馬に例えるとすれば、グラスワンダーでしょうか。99年の有馬記念を約4センチ差で優勝していて、僕らも最後数センチの争いを勝ったので、ちょっと似ているかなと。
今年応援したい馬は、キセキです。競馬にしても僕らがやっているスポーツにしても勝負事なので。やっぱり「キセキ」が絶対にどこかで起きるということで何か起こしてくれそうだなと思いますね。
有馬は特別大きなレースで勝敗ももちろん大切なのですが、僕らアスリートも大切にしている「楽しむ気持ち」も忘れずに盛り上がれるといいなと思います。