【クイーンC】ウインエクレール 松岡と歩む桜ロード!「完成早い。素質は間違いない」

2022年2月8日 05:30

ウインエクレール

 厳しい寒さが続くが、競馬の世界は春の芽吹きが既に始まっている。今週の東京土曜メインは「第57回クイーンC」。牝馬クラシック戦線における重要なステップに挑むのが1戦1勝のウインエクレール。香港G1・2勝を挙げ、19年JRA賞最優秀4歳以上牡馬に輝いたウインブライトを兄に持つ良血。兄の主戦も務めた松岡正海(37)の手綱で、桜花賞を目指し初の重賞舞台に挑む。

 偉大な兄の軌跡を追って、ウインエクレールが2戦目で重賞舞台に挑む。初戦は大量17頭が除外された抽選をくぐり抜けての出走。首差の辛勝だったが、手綱を取った松岡にとっては納得の内容だった。「速い追い切りは実質一本で臨んだレース。八分程度の仕上がりだったが、それでも勝ち切ってくれた。ポテンシャルを感じられた」と振り返る。

 実戦を経験し「体はだいぶしっかりした。1週前の稽古も余力十分でスイスイ走れた」。松岡はフィジカルの進化を評価するが、メンタルにはまだ課題が残る。「気性が前向き過ぎるし、幼さも残って難しい面がある。初戦は大丈夫だったが、テンションに気をつけて調整している」と話す。

 兄のウインブライトとは「牝馬なので全くタイプが違う」と松岡。参考にしているのは、同じく主戦を務めた姉ウインファビラス。「燃え過ぎる気性で、調整にずいぶん苦労した。妹もそういう面がこれから出てくるかもしれない」。愛馬を評価しつつも楽観はしていない。管理する畠山師は「今のところは姉と比べても扱いやすい。競馬を使った後も高ぶることなく、体重もキープして反動も感じない。上積みを期待できる」と前向きだ。

 兄ブライトは、3歳春にG2スプリングSを制したが、皐月賞8着、ダービー15着と大敗。姉ファビラスも、阪神JF2着など早期から活躍したが、牝馬3冠では見せ場なく敗れた。クラシック制覇は一族の悲願でもある。兄は4歳以降に本格化したが、松岡は「完成するのはこの馬の方が早いと思う。今の段階で重賞でどこまで通用するか。持っている素質は間違いないので」と期待する。畠山師も「何とか桜花賞路線に乗せたい」と意気込む。

 陣営の、一族の思いを乗せて臨む一戦。春の仁川へ。厳寒の府中で希望の閃光(せんこう=エクレール)を放つ。

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