【高松宮記念】道悪ならキルロード全開!菊沢と人馬初G1制覇へ スピード感満点追い坂路4F52秒4

2022年3月25日 05:30

坂路で追い切るキルロード(撮影・郡司 修)

 新企画「G1展開王」は週末の天候悪化に注目。重の鬼であり、先行脚質が道悪に強いという過去の傾向からキルロードに白羽の矢を立てた。

 高松宮記念の前2年は重馬場。今週末の予報も土日ともに雨。予報通りなら、スピード勝負とは無縁のパワー戦。高松宮記念が道悪になった時、どんな脚質の馬が強いのか?

 木曜追いが無事終わった後、キルロードを送り出す田村師がつぶやいた。「田んぼみたいにならないかな…。この馬、他の馬が苦にするような厳しい条件の時に頑張るんだ。逆にパンパンの高速馬場だと厳しいと思う」

 最終追いは坂路で4F52秒4。7年目で念願のG1初騎乗を果たす菊沢を背にスピード感満点に駆け上がった。「久々に乗せてもらいましたが乗りやすくて操縦性が高い。動きも凄く良かった」と笑顔。20年11月みちのくS(福島1200メートル)以来のコンビ。好スタートから4コーナーで早々と先頭に立ち、オープン入りを決めた貴重な白星だった。「あの頃と比べても精神的に落ち着き、乗っていて安心感がある背中をしていました」と成長を肌で感じている。

 鞍上がG1初騎乗なら馬もG1初挑戦。荷が重い?断じてNOだ。重賞初挑戦の前走オーシャンS(6着)は「本来スタートが速い馬がわずかに遅れ、外を回る形。それでも内容は悪くなかった」と師は収穫を感じている。さらに雨の後押し。2勝目を挙げた20年春の1勝クラス(中京芝1200メートル)は雨が降りしきる不良馬場。水しぶきが上がる極悪馬場で悠々逃げ切った。昨秋新潟の信越S(9着)は重馬場で完敗したが「あれはオーバーペース。道悪が敗因ではない。この馬自身のラップを守って刻んでいけば粘り強い馬。中京もいい」(同師)と明確に分析している。

 道悪の高松宮記念は先行型が断然強い。重で行われた昨年ダノンスマッシュは4コーナー9番手から届いたがこれは例外。残る6回の道悪の高松宮記念はコース改装前も含め、全て4コーナー5番手以内。繰り上がりVを飾った19年モズスーパーフレアは結果的に逃げ切りだった。

 近年スプリントG1の逃げの主役だったモズスーパーフレア、ビアンフェが不在。その気なら逃げるスピードはあり、2番手でも対応できる先行型。予報通りに道悪ならVゾーンの好位にいるのは確実。G1初騎乗で初Vの大仕事も夢ではない!?

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