ドバイで交わった若き騎手と調教師

2022年3月25日 05:30

 【競馬人生劇場・平松さとし】カナダ版ダービーであるクイーンズプレートを勝つなど同国を主戦場として頑張っている福元大輔騎手(24)。1週間ほど前に連絡があり、25日からバーレーンで騎乗するという。ちょうどドバイワールドCデーの直前ということで、ならば「日本の関係者もたくさんいるこの時期に近隣のドバイへ寄るのも良いか…」となり、22日にドバイ入り。23、24日は朝からメイダン競馬場で調教を見学。ルメール騎手や矢作芳人師ら日本馬の関係者にあいさつをした。

 また、空いている時間には上原佑紀師(32)と落ち合い、競馬談議に花を咲かせた。上原佑師はダイワメジャーやセイウンコウセイなどのG1馬を育てた上原博師のご子息。調教師試験に合格したばかりで来春開業予定。サウジダービー(G3、2着)からUAEダービー(G2)へと転戦するセキフウの武幸四郎師から声が掛かり、この遠征に同行している。

 「32歳で調教師というのは日本ではかなり若いですよね。凄いですね」。福元騎手は目を丸くしてそう語り、さらに続けた。「レースの日はバーレーンにいるので直接の観戦はできないけど、向こうからセキフウを応援していますね!」

 若きカナダのダービージョッキーがそう語ったのに対し、むしろ興味深そうにさまざまな質問を浴びせていたのが上原佑師。答えを聞くたびに感嘆の声を上げ、次のように語った。「何もあてのないカナダへ10代で渡り、英語を勉強しながら騎手になった。それだけでなく、この若さでG1ジョッキーにまで上り詰めたのは立派です。年齢は僕より若いけど尊敬します」

 互いが口にしていたように、調教師としても騎手としても若手の部類に入る彼らには明るい未来が待っている。もしかしたら10年後、20年後にタッグを組み、世界のG1を勝っていても不思議ではない。そんな日が現実となるように上原佑師と福元騎手の今後に注目しながら応援したい。(フリーライター)

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