【NHKマイルC】ダノンスコーピオン絶妙!遠征考慮で3F目から一気にギアチェンジ

2022年5月5日 05:30

坂路で追い切るダノンスコーピオン(撮影・亀井直樹)

 3歳マイル王のタイトルを懸けた「第27回NHKマイルC」の追い切り が4日、東西トレセンで行われた。アーリントンCの勝利で弾みをつけたダノンスコーピオンは坂路単走しまい重点。中2週、遠征競馬を考慮した絶妙なサジ加減で最後のひと追いをクリアした。

 派手な時計ではなくても動きは実にパワフルだった。ダノンスコーピオンは安田助手を背に坂路へ。単走で最初の1Fを14秒6で入り、2F目も14秒0とゆったりラップを刻む。一転3F目にギアを切り替えるとグングン加速。四肢を大きく伸ばし、4F54秒2~1F12秒5で頂上に駆け上がった。前走・アーリントンCから中2週。中間は静の姿勢を貫いたが、全体時計の印象以上にスピード感があった。安田隆師は納得の表情を浮かべる。

 「前走後も順調です。今朝の追い切りはあまり馬にプレッシャーをかけないよう、スッと駆け上がるような形で済ませました」

 前走・アーリントンCで晴れて重賞ウイナーとなった。その前走は強風が吹き荒れ、直線は強烈な向かい風。キャリアが浅い3歳馬に厳しいコンディションの中、4角10番手からメンバー2位の上がり3F33秒6の末脚を繰り出した。指揮官は「いい感じで運べていたし、ゴール前の脚は凄かった」と回顧。「昨年の朝日杯FS(3着)の時ほどではなくても、2走前の共同通信杯(7着)より状態は上向いていた。いい走りをしてくれました」と笑顔を見せた。

 厩舎の先輩でもある父ロードカナロアは13年安田記念を含む、G1・6勝を挙げた短距離王。父がG1を獲った東京マイルで息子もG1馬の仲間入りを目指す。「(父に)似ているところは競馬に対して落ち着いているところ。父は先行力があったが、スコーピオンはしまいの脚がしっかりしていますね」と直線が長いコースを歓迎する。馬主ダノックス&安田隆師&川田のトリオで3度目のG1制覇(過去に20年ホープフルS・ダノンザキッド、21年高松宮記念・ダノンスマッシュ)へ、期待は高まるばかり。「一緒にタイトルを獲りたい」と弟子の川田に託す。偉大な父の背中を追いかけ、決戦の地・府中に乗り込む。

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