【函館2歳S】クリダーム 芝コースで力強くラスト11秒7!武豊、希代の名馬の面影も「有力馬の一頭」

2022年7月14日 05:30

函館2歳ステークスに武豊騎手で出走予定のクリダーム(左)(撮影・千葉茂)

 JRA最初の2歳重賞「第54回函館2歳S」はクリダーム(牡=須貝)が芝で上々の動き。鞍上・武豊(53)は97年のこのレースVから世界へと飛翔したアグネスワールドを思い起こし、四半世紀ぶりの同レース制覇を視界に入れた。

 6月12日の新馬戦以来、1カ月ぶりにクリダームにまたがった武豊が確認しておきたかったことの一つが精神面。デビュー前から油断すればネックになりかねない部分だと把握していたからだ。

 「テンションが高くならなきゃいいな…と思っていたけど、まあ大丈夫だったかな。それでもレース当日は気が入るやろうね」

 課題はどうやらクリア?と思いきや苦笑いを浮かべて「わがままな気性で乗りやすくはないよ。今日も少し内にモタれていた」と付け足すのだから、武豊には手を焼かせる“わんぱく”と映っているようだ。

 芝コース。同じ須貝厩舎のマジカルステージ(古馬2勝クラス)、ゲイングラウンド(3歳未勝利)と併せたクリダームは3列目を追走、直線は最内に進路を取り、併入でフィニッシュ。全体は5F68秒6でラスト1Fは11秒7にまとめて最終リハを完了した。

 「動き自体は悪くない。(長所の)スピードとパワーもあるので、雨が降っても気にならない」と武器を強調し、週末の雨予報はこの日のぬかるんだ馬場に対応したフットワークから不安視しない口ぶりだ。

 武豊が函館2歳Sを語るに97年(当時は函館3歳S)にコンビを組んで勝ったアグネスワールドにさかのぼる。「あの時はレコード勝ちだったよね。これは相当、走るぞと思った」と函館デビューから後に海外G1(99年仏アベイドロンシャン賞、00年英ジュライカップ)を制すまでに飛躍した名馬を懐かしんだ。

 クリダームはそんな鞍上の25年の空白を埋めることのできる逸材か。函館開幕週のデビュー戦は馬主インゼルレーシングの初陣で勝利とPRにも貢献した武豊は「新馬戦のタイム(1分9秒5)が良かったし、2着馬はすぐに勝ち上がった。有力馬の一頭だと思う」と主役の存在だと自負している。

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