【秋華賞】高柳大師 サウンドビバーチェで3冠阻止!不運オークスの雪辱へ
2022年10月14日 05:30 さあ、仕切り直しだ。サウンドビバーチェはオークスが不運の競走除外。発走地点で他馬に蹴られて放馬、顔部挫創でゲートインがかなわなかった。高柳大師の兄・瑞樹師は2冠馬スターズオンアースを管理。この兄弟の“G1初対決”が3冠ラスト舞台で実現する。弟・大輔師は静かに思いを語った。
「実家は北海道で牧場をやっています。兄は真面目な感じですね。長男として僕の前を走ってくれる道しるべ。切り開いていった道を付いていっている感じですかね。意識は特にしないけど、兄弟で一緒にG1で走れること自体を楽しみにしています」
456キロでデビュー。そこから一度も体を減らすことなく、着実に馬体重を増やしていった。オークスは発走直前の除外。「プラスに捉えれば、十分に成長を促すことができたのかな」と気持ちを切り替えた。ひと夏を休養に充て、前走はオークスからプラス12キロ。思い描いた成長曲線を描いた。その紫苑Sは2着、きっちりと秋華賞の出走権を手にした。2000メートルにメドが立ったのも大きな収穫。反転攻勢へ、機運が高まる。
「前走のプラス体重は成長分ですね。春先は太らせようとしても太らなかったけど、今はそういう心配をせずに調整ができています。折り合いもずっと調教で前に1頭置いてトレーニングをやってきましたし、大丈夫だと思います」
舞台は内回りの芝2000メートル、うまく先行力を生かせれば楽しみ。2冠馬スターズオンアースより前で競馬を組み立てる形になりそうだ。「外回りよりは内回りの方がいいと思いますね。チャレンジャーとして挑みたい。最後の直線で2頭とも、いい競馬ができればと思います」と力強く結んだ。兄の威厳か、弟の野望か。高柳ブラザーズが深まりゆく秋の最終決戦を盛り上げる。
◇高柳 大輔(たかやなぎ・だいすけ)1977年(昭52)6月7日生まれ、北海道出身の45歳。実家が北海道日高町の生産牧場。2歳上の兄が美浦の瑞樹師。大久保龍志厩舎と安田隆行厩舎で調教助手を務め、17年に調教師免許を取得、18年に開業した。JRA通算1163戦91勝。昨年のチャンピオンズCをテーオーケインズで制し、G1トレーナーとなる。