【天皇賞・秋】名手・岩田康が“ホレた”ノースブリッジ

2022年10月27日 05:30

ウッドチップコースで追い切るノースブリッジ(撮影・郡司修)

 【G1ドキュメント・美浦=26日】栗東所属の騎手が騎乗馬の追い切り当日に美浦に来ることはよくある。しかし、岩田康は火曜朝からノースブリッジの調教にまたがり、相棒の状態を細かくチェックしていた。「こうして声をかけていただいてどうにかしたいという思いでやっている。大きいことは言えないけど、G1に手が届きそうなところまでは来ている感じがある」と言葉に力がこもる。ペンを走らせる高木は並々ならぬ熱意を感じた。

 最終追いはWコースで3頭併せ。リズミカルなフットワークで前に置いた2頭を追いかける。目標と距離があった直線で岩田康の手綱が力強く動き最内へ。鞍上の指示に一気に反応すると、外キミワクイーン(3歳3勝クラス)に半馬身先着した。中2週でも攻めた内容に表れる充実ぶり。岩田康は「状態は前走(毎日王冠5着)とは比べものにならないくらい良い。乗っていると怖いくらいのバネを感じる。アドマイヤオーラ(自身の手綱で07年シンザン記念V、ダービー3着)みたいや」と明るかった。

 20年葉牡丹賞(1着)で素質にほれこみ、今春エプソムCで待望の重賞初制覇。一戦ごとに力を付けてきたが、岩田康は4歳秋を迎えてのさらなる進化を感じている。「春まではどこか上に跳ぶような走りをしていたのが(推進力が)前に向かう走りになってきた。このメンバーと戦ってもっと成長できると思っている。今はどれだけ戦えるかが楽しみ」。名手と素質馬が一歩ずつ階段を上り、いざ大舞台へと殴り込む。

特集

2022年10月27日のニュース