小林美駒 兄弟子・横山武史の背中追って研さんの日々 「かっこいい」女性騎手ドイルからも刺激

2023年3月3日 05:30

デビュー戦を前に馬と触れ合いリラックスした表情を見せる小林美駒

 今週はフレッシュなルーキーのデビューウイーク。6人の新人騎手がプロの世界に足を踏み入れる。今年も2人の女性ジョッキーが誕生。小林美駒(17=鈴木伸)は兄弟子・横山武史(24)の背を追って研さんの日々を送ってきた。土日中山で6鞍に騎乗予定だ。

 目前に迫った夢の舞台。「たくさんの厩舎から騎乗依頼をいただいて、緊張や不安もある。それでも楽しみのほうが大きくなってきました。同期に負けない活躍を見せたいですね」。デビュー前最後の追い切りを終えた小林美が思いを語った。

 出身は新潟県。競馬好きの両親に連れられて、小さい頃から新潟競馬場でレースを観戦。そこで魅せられたのは新潟競馬場名物の直線芝1000メートルだった。「人馬一体の姿に感動しました」。それがきっかけとなり、20年に競馬学校入学。1年時は、同厩舎だった今村聖奈を見て騎乗技術を学んだ。

 鈴木伸厩舎への所属が決まってからは、兄弟子・横山武と修業の日々。「最初は怖い人かなと思っていたけど、優しかった。レース映像を一緒に見て、どこが良かったのか、悪かったのかを話してくれる」。技術だけではない。横山武と同じトレーニングを積み、徐々に筋力をつけてきた。「最初は馬を引っ張れないくらいの力しかなかった。でも今では競馬に必要な筋肉をうまく使えています」と成長を実感している。

 学校卒業前には、忘れられない出来事があった。英国出身の女性騎手ドイルが、夫のマーカンドと特別講師として来校。騎乗技術の高さを目の当たりにして感銘を受けた。「私より小さい体なのに、あんなダイナミックなフォームができてかっこいい。私も追いつけるように頑張りたい」。偉大な先輩を目標に、ここまで歩みを止めなかった。

 迎えたデビュー週。中山で6鞍の騎乗依頼が舞い込んだ。「ゲートをうまく出せるところが自分の強み。4キロ減の恩恵もあるし、前めでの競馬を心がけます」。家族も観戦予定で「恩返しできるように頑張る」と気合も入る。「“女性だから”とかではなく、一人の騎手として結果を残したい」。世界基準の騎乗に憧れる17歳の物語が始まる。

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