【秋華賞】NFしがらき冨高厩舎長 リバティアイランドのプラス56キロ想定通り「走れば結果付いてくる」
2023年10月11日 05:28 牝馬3冠最終戦「第28回秋華賞」は史上7頭目の牝馬3冠に挑むリバティアイランドが断然の主役だ。放牧先のノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)で携わる冨高久志厩舎長(40)が夏休みの様子を振り返り、エールを送った。
示された数字は、確かにインパクトがあった。リバティアイランドの栗東トレセンへの帰厩予定を先月8日、所有するサンデーレーシングが発表。合わせて馬体重が522キロと付記された。オークスの466キロから実にプラス56キロ。大幅に増えている。放牧先のノーザンファームしがらきで同馬に携わる冨高厩舎長は「いろいろと言われていますけど、僕の中ではイメージ通りなんですよ」として言葉を継いだ。
「桜花賞の時も500キロ台で帰厩しているんです。そこから競馬へ向けて調整していって、レースの1週間前には470キロになっていたかな。今回はもちろん成長分もありますけど、許容範囲です。体重は気にしなくていいと思います」
桜花賞は466キロ、前走から4キロ増で勝った。オークスで2冠達成、しがらきへ戻ってきた。激走の疲れが見えた。「秋華賞直行と分かった段階で時間があるので、まずは疲れを完全に取り切ってからベースをつくる形を取りました。まずは軽めのトレーニング、その段階で体重がジワジワ乗ってきたのだと思います」と成長を感じ取っていた。
強い負荷をかけてレースへ向けて仕上げていく栗東とは違い、しがらきは休息の場所でもある。「競馬であれだけ速く走って気も入って戻ってくるので、最初は精神面でもニュートラルの状態にしてあげたい。かなりオフの感じも見えたし、いい夏休みになったと思います」と振り返った。
冨高厩舎長は中内田厩舎の所属馬を担当している。厩舎の方法などを頭に入れつつ、日々の作業に当たる。大きく体重を増やして栗東に戻すのも、厩舎のスタイルをきちんと理解しているからこそ。中内田師も週に一度はしがらきに足を運ぶそうで、コミュニケーションを密に取っている。
いざ3冠への挑戦。「最初に出合ったのが去年の春先でした。完成されていない状態でも、いい背中をしていましたね。まだ良くなる部分もあると思いますけど、だいぶしっかりしてきました。エール?とにかく無事に出走してくれれば。結果は付いてくると思います」。シンプルな言葉に、力強さが宿った。
◇冨高 久志(とみたか・ひさし)1983年(昭58)4月13日生まれ、大阪市出身の40歳。小学生の頃に競馬好きな友人をきっかけに興味を持ち、ホースマンを目指す。高校卒業後にノーザンファーム空港(北海道苫小牧市)を経て、しがらきへ。厩舎長として友道厩舎を担当した後、現在は中内田厩舎の所属馬に携わっている。