【有馬記念】ソールオリエンス究極仕上げだ!余力十分で絶好伸び脚、川田「想像していた通り」

2023年12月21日 05:26

川田を背に追い切るソールオリエンス(撮影・村上大輔)

 世相を映すともいわれる有馬記念。関東馬がG1を席巻した一年を象徴するように、春2冠を分け合った美浦の3歳が好調だ。皐月賞馬ソールオリエンスは新コンビ川田将雅(38)と抜群の折り合いを披露。皐月賞馬とダービー馬が同年の有馬記念で激突するのは10年以来。当時は皐月賞馬ヴィクトワールピサがダービー馬エイシンフラッシュ(7着)を破ったが、果たして今回は?

 未完の大器が着実に階段を上っている。皐月賞馬ソールオリエンスは美浦に駆けつけた新コンビ・川田を背に最終追い。折り合い重視の道中から徐々にペースアップし、余力を残して5F69秒2~1F11秒2。初コンタクトを終えた鞍上は「まずはオーバーワークにならないように。(目的は)どういった馬か確かめることでしたが、無事に終われてそれが一番だったと思います」と振り返った。

 名手はこれまでライバルとして戦ってきたソールの背中をどう感じたのか。最後の直線を18頭立ての17番手で迎えた皐月賞史上最大の逆転劇を「衝撃的な勝ち方」。そう評する一方で「想像していた通り。いい意味でまだまだ幼く、来年にもっと良くなるだろうな、という背中をしていました」と伸びしろを強調。手塚師は「もっと良くなるというイメージを持ってくれてありがたい。春と比べても秋2戦は成長していると思っている」と呼応した。

 成長曲線に比例するように、中間は稽古の負荷を「ワンランク、ステップアップさせた」(手塚師)。年長馬相手に手ぬるい調整では太刀打ちできない。13日には僚馬ウインマリリンを10馬身以上追いかけ、直線で抜き去る豪快デモを敢行。「よくあれだけ強い調教に耐えたな、とポテンシャルに感心した。大一番なのでお釣りを残さないよう送り出したい」と究極の仕上げが施されている。

 3冠を皐月賞1着→ダービー2着→菊花賞3着と推移したのは、「天馬」と称された76年トウショウボーイ以来47年ぶり。同馬は3歳で有馬記念を制した。皐月賞後、手塚師に「歴史に名を刻む資格がある」と言わしめたソール。昭和を代表する「天馬」の蹄跡をたどるに足る素質を秘めている。

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