【根岸S】コスタノヴァ 5戦5勝“府中の鬼”だ! 圧巻4馬身差Vでダート界の新星誕生を予感

2025年2月3日 05:29

<東京11R・根岸S>圧勝で重賞初勝利を挙げたコスタノヴァ(右)(撮影・郡司 修)

 東西で新たな重賞ウイナーが誕生した。冬の府中開幕を告げるG3「第39回根岸S」は2日に東京競馬場で行われ、2番人気コスタノヴァが差し切った。これで東京ダートは5戦5勝と府中の鬼。フェブラリーS(23日、東京)の優先出走権を獲得した。京都で行われた「第30回シルクロードS」は9番人気エイシンフェンサーがV。鞍上の川又賢治(27)はデビュー9年目で重賞初制覇を飾った。

 東京競馬場は気温5度と冷え込んだ。寒空の下、コスタノヴァがダートを真一文字に突き抜けた。検量室前に引き揚げてきた横山武は相棒の首筋をポンポンと叩き奮闘を称えた。5戦5勝と相性抜群の府中で初重賞タイトル。初コンビの鞍上は「凄くいいものを持っていると感じたし、能力を引き出すだけだと思っていました」と振り返った。

 この日はスタートを決めると、じっくりと中団に構えた。リズム良く迎えた直線。残り400メートル、外にスペースができると一気に加速する。鞍上の右ステッキに応えて、あっという間に後続を突き放した。残り200メートルでセーフティーリード。2着に4馬身差をつける快勝だった。「あまりゲートが得意な方ではないけど、うまく出てくれた。陣営の方も、うまく調整してくださったんだなと。理想的なポジションで運べたし、進路を見つけてからの伸び脚は想像以上だった」と手放しで相棒を称えた。

 陣営の努力が実を結んだ。昨秋、武蔵野Sは直前に左目に外傷を負って出走回避。この日は前走クラスターC6着以来、約半年ぶりの実戦だった。苦渋を味わった後の一戦だっただけに木村師は「馬につらい思いをさせてしまったし、オーナーにもご迷惑をかけてしまった。そういう意味では(勝てて)良かったです」と胸をなで下ろす。中間は水曜の最終追い後も入念に乗り込んで調整。「水曜に追い切ってから金曜の動きが良い変化をしていた」と手応えをつかんでいた。

 フェブラリーSへの優先出走権を獲得した。今後について指揮官は「脚元もまだ固まっていない馬なので」と語るにとどめたが、期待が膨らむ勝利だったのは間違いない。新星誕生を予感させる4馬身差の圧勝。さらなる大舞台へ向け、着実にステップアップしていく。

 ◆コスタノヴァ 父ロードカナロア 母カラフルブラッサム(母の父ハーツクライ)20年4月3日生まれ 牡5歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・吉田勝己氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績9戦6勝(重賞初制覇) 総獲得賞金1億1732万1000円 馬名の意味はポルトガル北部のリゾート地。

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