【NARグランプリ表彰式典】森泰斗元騎手が次の夢を語る「いい馬とスター騎手を育てたい」
2025年2月3日 22:14 1月15日に発表された「NARグランプリ2024」の表彰式典が3日、都内のホテルで関係者250人を集めて行われた。
「最優秀勝利回数騎手賞」は295勝を挙げた森泰斗元騎手(44)が受賞。3年ぶり6度目のタイトル獲得となった。昨年11月末に引退したが、壇上に立ち、インタビューに応じた。
--受賞しての感想を。
「引退発表をした人間が(タイトルを)獲ってしまっていいのかな、という複雑な思いがあります」
--295勝。昨年1年間の騎乗をどう振り返るか。
「体に不調な部分もあり、到底、納得いく騎乗はできていなかった。数字に関しても、一番勝っていた頃は年間400勝近くしていた。昨年は数字をだいぶ落としている。不本意なシーズンでした」
--引退した今、どのように過ごしているのか。
「今は自分の時間を確保しつつ、次の道に向けて勉強しているところです」
--引退会見では「不摂生をしてみたい」と話していた。そのあたりは?
「不摂生もしてみたが、やはり体に染みついた習慣は抜けないもの。今は寝る時間も食事もジョッキーの頃とあまり変わらない生活に戻りました」
--外から競馬を見るようになって、これまでと違うところはあるか。
「いえ。自分は現役の頃から競馬中継を毎日、録画して、自分(の騎乗)を客観的に見る作業をしていた。今、外から見る立場になっても変わらない」
--後輩の騎手に思うこと、伝えたいことは?
「騎乗技術は年々、レベルが上がっている。仕事に向かう姿勢が素晴らしい騎手も年々、増えている。ただ、ちょっとした油断をしないでほしい。昨年は不祥事が何件かあった。ちょっとした意識の差だけだと思う。他に関しては心配していない。優秀な騎手がそろっています」
--先日のテレビで「調教師試験を受験する」と話していた。思いを改めて聞きたい。
「ちょっと離れていろいろ考えてみて、やはり近くで馬に関わりたいと思った。もし、かなうのであれば、自分の培ってきた知見を生かして、いい馬を育てたいと思う。自分の経験や、足りなかった部分を伝えてジョッキーも育てたい。スタージョッキーというのは地方競馬の発展にとって必須。夢を描いているところです。まず合格しないことには始まりませんね」