【凱旋門賞】アロヒアリイ・鈴木剛史オーナー「前走くらいの雨なら…ちょうどいい」
2025年10月1日 06:30 仏G1「第104回凱旋門賞」は5日にゲートインを迎える。日本から参戦するアロヒアリイを所有する鈴木剛史氏のインタビュー、10月1日付紙面で掲載できなかった“延長戦”をどうぞ。
――振り返ると、皐月賞後は多くの選択肢があった。
「皐月賞でダービーの権利を取れなければ海外に行くという選択肢はありました。凱旋門賞につながるレースとしてエプソムダービー、パリ大賞への登録を考えていましたが、馬に疲れがあったので無理はしませんでした。その時点で今年は無理かなと思いましたが、その後にニエル賞かギヨームドルナノ賞が選択肢として挙がりました」
――現地では的場勇や舟山も現地に駆けつけ、日本人スタッフが力を合わせて調整を続けている。
「ノーザンファーム天栄の厩舎長も行ってくださり、総力戦で挑んでいます」
――雨が降った場合の見通しは?
「日本であれば雨が降った方がいいタイプですが、現地の道悪はどうなるか。ギヨームドルナノ賞は天気は良かったですが、良馬場ではなかった。追い切りで試走したパリロンシャンは少し馬場が悪かったらしいですが、そこまで苦にする感じではなかったと聞いています。皐月賞も雨が降ってほしかったくらいですし、日本馬の中では上手な方だと思います。前走くらいの雨ならちょうどいいかなというイメージです」
――レース前は気持ちが高ぶる?
「比較的、冷静ですね。それでも凱旋門賞は緊張するんじゃないかと思っています」
――個人馬主でのチャレンジということで費用もかかる。
「ギヨームドルナノ賞を勝っただけでは赤字です。でも、賞金を取りに行っているわけではないので。賞金をプラスにしようと思ったらなかなかリスクは取れない。ギヨームドルナノ賞の賞金が今年から半分になっているのは直前で気づいたんですよね(笑い)」
――凱旋門賞を勝てばオーナーも黒字になる?
「それはもちろん。一応4着ぐらいになればトントンになるという感じです」
――勇気のある決断では?
「みんなそう言ってくれるんですけどね。高い馬を買うということは結局、夢を求めているのでは?と思うんですれど。(馬を購入した)後からお金を払うとそう感じるんですかね」
――2年前、3歳秋に挑戦したドウデュース陣営からも“3歳で凱旋賞賞へ行けば翌年以降につながる”といった話があった。
「僕もそう思います。重量の有利さなどもありますが、チャンスは1回だけと思っていないので。アロヒアリイみたいな馬に出合えるチャンスは1回だけかもしれないですけど。みんな口をそろえて“3歳で完成する馬じゃない”と言っていますからね。今年行かないと、来年がピークになったとして(凱旋門賞初挑戦の田中博)厩舎の経験は初めてになってしまう。そういう意味もあって、まずは3歳で挑戦しようと考えました」