【七夕賞】オーロラエックス、牝馬38年ぶりの快挙へ 現役最速400勝達成の杉山晴紀師“願う”
2026年7月10日 05:20 それぞれの願いを乗せた16頭の意地がぶつかる。七夕賞(12日、福島)の出走馬が9日、確定した。栗東からは悲願の重賞制覇を目指すオーロラエックスが意欲の遠征。福島開催では88年コーセイ以来、38年ぶりとなる牝馬Vへ照準を定めた。
前人未到のスピードでJRA現役最速400勝を成し遂げた杉山晴紀師(44)が、さらなる白星を積み重ねるべく挑む一戦。“織り姫”オーロラエックスを七夕賞に送り出す。「胸を借りる立場になりますけど、まずは自分の力が出し切れる競馬ができれば」。今年35勝を挙げ、リーディングを独走するトレーナーは謙虚な姿勢を崩さない。
2、3歳時にキャリア4戦で3勝を挙げた素質馬。「ポテンシャルは光るものを持っていました。体の使い方、センスのある無駄のない走り方をしていました」と当初の印象を振り返る。昨秋にはエリザベス女王杯でG1に初挑戦するも16着。今年初戦の白富士Sも9着と本来の力は影を潜めた。復調の兆しを見せたのは前走の都大路S。レコード決着の中、0秒6差の6着に奮闘。休み明け2戦目で持ち味の末脚をフルに発揮できればチャンスはある。
杉山晴師は5日の小倉8Rをサトノアイボリーで勝ち、開業から9年8カ月15日でJRA通算400勝。「僕だけの力ではないですし、スタッフ、関係者に感謝したいです」と改めて謝辞を述べる。積み上げた400勝のうち福島では19勝を挙げ、その勝率13.8%は競馬場別で東京の14.2%に次ぐ好成績。23年にはエルトンバローズでラジオNIKKEI賞を勝ち、今春の福島開催では8頭を送り込み、4勝を挙げて開催リーディングを獲得した。
当地との相性の良さについて、指揮官は「遠いところまで運ぶので、チャンスがある馬を送り込むようにしています」と小回りに対応できる器用さをジャッジして適性を見抜く。「相性のいい競馬場。そう言った意味では好きな競馬場ですね」と白い歯をのぞかせた。
福島開催の七夕賞を牝馬が勝てば88年コーセイ以来、38年ぶりの快挙(中山開催は11年イタリアンレッドがV)。オーロラのように輝く一等星をつかむため――。普段は馬房でよく眠るという“眠り姫”が悲願の重賞タイトルへ、初めてのみちのく遠征で目覚める。
