【菊花賞】原優介&ジャスティンシカゴ 固い絆で金星再び! 舞台に絶対の自信「天賦のスタミナ」

2026年10月21日 05:30

菊花賞でジャスティンシカゴに騎乗する原優介

 水曜企画「G1 追Q!探Q!」は担当記者が出走馬の陣営に聞きたかった質問をぶつけて本音に迫る。牡馬3冠最終戦「第87回菊花賞」は東京本社の菊地一(24)が原優介(26)を直撃。トライアルのセントライト記念でジャスティンシカゴを重賞初制覇に導いた。本番へ向けて「成長力」「長距離適性」「G1への思い」の3テーマで迫った。

 【成長力】“走る馬”の共通項とは何か。原は「毎レース、自分の想像を超えてくる馬」と語る。初めて、その感覚を味わったのがダート路線で活躍したジョージテソーロ。デビュー当初は「未勝利すら勝てるかどうか」と感じていた。一戦ごとに成長し、最終的にオープン入り。今、ジャスティンシカゴに似た感覚を抱く。初めてレースで騎乗したのは5月のプリンシパルS(2着)だった。第一印象は「乗りやすくはなくて、癖のある馬だという認識だったけど、思いのほか良くて、年を越してから良くなるイメージでした」。その思いはいい意味で裏切られる。大幅に上回る速度で成長を遂げる。続く6月の東京1勝クラスで逃げ切り。「思っている以上に早いタイミングで成長してくれているなと感じた」と振り返る。ひと夏を越した前走セントライト記念で重賞初勝利。「操縦性も向上して、体を使えるようになっていた。“3着はあるな”という雰囲気だったけど、最高の結果でした」と12番人気の低評価を覆した。3着という予想を上回る結果を出した。

 【長距離適性】最大の武器は無尽蔵のスタミナにある。「来年のダイヤモンドS(芝3400メートル)を目指したい」。プリンシパルSのレース後、原は宮田師にこのように伝えたというくらい、ジャスティンシカゴの豊富なスタミナを感じ取っている。「心肺機能は先天性のもの。トレーニングで向上させられる度合いは微々たるもので、調教ではその馬のマックスの値まで埋めることしかできない」。そこはまさに天賦の才。前走セントライト記念は、やや距離不足とも思える2200メートルで春クラシックの実績馬をねじ伏せた。800メートルの距離延長となる菊花賞でパフォーマンスを上げてくる姿が容易に想像できる。「心肺機能は本当にトップレベル。(前走は)予想に反して、しっかり勝ち切ってくれた。より合う舞台に臨むということで、自信は前走以上にある」と力強く語った。

 【G1への思い】今年4度目、通算では9回目のG1挑戦となる。念願の初制覇へ。今年3回の共通点は前走が初コンビで優先出走権獲得、または重賞Vで賞金を加算してG1舞台に駒を進めていた。自らの力で大舞台への道を切り開いた。ただ、今回はこれがタッグ4走目。懸ける思いはひときわ強い。「過去の3戦は普段関わりがなかった分、乗っていて意外性や驚く部分もありました。ジャスティンシカゴは普段から関わりを持たせてもらっている。自信を持った上で臨んでいた。その上で、しっかり結果を出すことができた。G1はまだ獲ったことがないので、しっかり勝ち切りたいという思いは、人一倍強くなっています」。強気の言葉には確かな裏付けがある。思い返せば前走も原、宮田師共に自信ありげな口ぶりだった。12番人気だったが、しっかりと結果を出した。今回も3冠を狙うロブチェンを筆頭に強敵ぞろいだが、再び“何か”を起こしてくれそうな雰囲気が漂う。

 ≪取材後記≫調教を終えた原に「菊花賞の取材をさせていただきたいのですが」とアポ取りに行った。すぐに「いいですよ!そういえばセントライトで本命打ってくれていましたよね?」と返してくれた。中央競馬班に加わって1年と少し。私の予想印は大きな出走表ではなく、小さなスペースに掲載されている。“よく気づいたな”と驚いた。うれしくなって「見てくれたんですね!」と思わず声が出た。「レースが終わってから、全部の新聞を買って誰が本命にしていたか確認しました」と笑顔で訳を明かしてくれた。トレセンでは常に笑顔であいさつ、取材も丁寧に応じてくれる。まだ26歳と若い。そんな原のG1初制覇を待っている。乗馬未経験から競馬の世界に飛び込み、たくさんの苦悩も味わってきたと思う。競馬の神様が原にほほ笑む日は、近くまで来ている。(菊地 一)

 ≪軽快な動き披露≫ジャスティンシカゴは火曜朝、坂路でスピードを乗せて4F58秒2~1F13秒5をマークした。宮田師は「入厩した時より毛ヅヤを含めていい状態ですし、前回と遜色ない」と好ジャッジをつけた。Wコースの1週前追いは5F66秒4~1F12秒0。「リズムが良かったし、ゴールに向かうフォームが格好良かった」と一定の評価を与えた。

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