ワンダーディーン国内外の大舞台経てJBCクラシックへ 母譲りの勝負根性で中野助手「勝ちたい」

2026年10月22日 05:15

ワンダーディーンを担当する中野拓也助手(撮影・坂田 高浩)

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は栗東取材班の坂田高浩(41)が担当する。7日にジャパンダートクラシックで2着に入ったワンダーディーン(牡3=高柳大)を担当する中野拓也助手(31)を取材。今春には中東遠征(サウジダービー4着、UAEダービー1着)から転戦で米国競馬の祭典ケンタッキーダービー(8着)に挑戦し、国内外の大舞台で経験を積んだ愛馬とさらなる高みを目指す。

 確かな成長を示した。ワンダーディーンは前走ジャパンダートクラシック2着が5カ月ぶりの秋初戦。勝ち馬シルバーレシオの強襲に屈したものの中団から抜け出し、いったんは先頭に立つなど負けて強しの内容だった。中野助手は「パドックでは今までになく落ち着いていました。これまでは2人引きでもきつかったんですが、1人でも片手で引けるくらい余裕がありました」と精神面の変化を感じつつ、肉体面においても「カイ食いがあまり良くないのは変わらないですが、調教を積んでも体重が落ちなくなりました」とたくましさが増してきた。

 血統的にも思い入れが強い。母ワンダーシエンプロは中野助手が19年に高柳大厩舎に入って最初に新馬戦から担当した馬。現役時に3勝を挙げ「負けん気が凄かったです。少し触っただけで、かんでくるくらい」と振り返り、気持ちの強さが初子のディーンにも受け継がれている。「子供を担当できて活躍してくれて。本当に幸せです。負けん気は最初からずっと変わらないです」と頬を緩ませた。

 今春はサウジダービー4着、UAEダービー1着の中東遠征後、米国のケンタッキーダービー8着と海外を転戦した。移動距離が長く、環境の変化によりコンディション維持は難しいが「米国でも、ほぼ100%と思える状態で出せました。落ちるかな、と思ったけど大丈夫でした」と回顧。「(24年に同じ臨戦過程で挑んだ)フォーエバーヤングの(調教役を務める)荒木助手にもアドバイスを頂きました。気持ちが強くて調整しやすいですし、タフですね」と目を細めた。ケンタッキーダービーは道中で他馬と繰り返し接触してブレーキがかかる展開。「あれだけぶつけられても、最後は伸びてきてくれたので」と勝負根性を称えた。過去8戦は全て異なる騎手、競馬場ながら安定して力を発揮できている。

 次走はJBCクラシック(11月3日、金沢)へ。前走後は短期放牧を挟み、17日に帰厩して調整を続けている。「前回より気が入ってピリッとしている感じがします。仕上がりは早いタイプですし、オーバーワークだけ気を付けたいです」と好気配を伝えた。国内外の大舞台で力走を続け、狙うはJpn1のビッグタイトルだ。「何とか勝ちたいです。3歳世代は強いと思いますし、順調に行ってくれたら」と意気込んだ。世代限定戦から年長馬を交えての戦いとなり、成長力が問われる。覇権を握って新時代の扉を開く構えだ。

 ◇中野 拓也(なかの・たくや)1995年(平7)6月6日生まれ、大阪府出身の31歳。ノーザンファーム空港(北海道苫小牧市)、ノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)などで経験を積み、19年1月から栗東・高柳大輔厩舎で調教助手。かつての担当馬にサウンドビバーチェ(23年阪神牝馬S勝ち)がいる。

 ◇坂田 高浩(さかた・たかひろ)1984年(昭59)11月5日生まれ、三重県出身の41歳。07年入社で09年4月から16年3月まで中央競馬担当。その後6年半、写真映像部で経験を積み、22年10月から再び競馬担当に。

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