【ヴィクトリアM】「G1馬の姉妹」ウンブライルに期待
2024年5月8日 05:30![](/images/column/43.png)
牝馬のG1は最終的に広義での母の力がものをいうケースが多い、というのは当欄で長年繰り返してきた持論。創設19年の国内で最も新しい牝馬G1であるヴィクトリアマイルにおいては、特にその傾向が顕著だ。
06年の第1回に優勝したダンスインザムードはオークス馬ダンスパートナー、菊花賞馬ダンスインザダークの全妹。10年のブエナビスタは阪神JF勝ちのジョワドヴィーヴルの半姉で、13、14年連覇のヴィルシーナはジャパンC優勝馬シュヴァルグランの半姉にして秋華賞馬ヴィブロスの全姉だった。18年のジュールポレールはマイルチャンピオンシップ優勝馬サダムパテックの半妹で、19年ノームコアは宝塚記念連覇のクロノジェネシスの半姉。そして22年の覇者ソダシも昨年、全妹ママコチャがスプリンターズSに優勝した。過去18回16頭の歴代優勝馬のうち、実に6頭までが「G1馬の姉妹」ということになるのである。ちなみに17年の優勝馬アドマイヤリードは、フローラS勝ちの半妹アドマイヤベルが今年のオークスで有力視されている。こちらも2週後には「G1馬の姉」となっているかもしれない。
ウンブライルは18年のマイルチャンピオンシップ優勝馬ステルヴィオの全妹。3冠馬シンボリルドルフの全姉である4代母スイートコンコルドに端を発する牝系には、令和の時代まで血統更新の波を乗り越えたネームバリューと生命力が宿る。結果的に兄は3歳秋がピークだったが、勝ち馬をしのぐ脚を使った前走に見る通り、本馬の成長曲線はまだ右肩上がり。“7頭目”となる可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)
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