【ヴィクトリアM】サンデー血脈の“錬金術”アドマイヤマツリ
2025年5月14日 05:30
06年の第1回ヴィクトリアマイルは1着ダンスインザムード、2着エアメサイア、3着ディアデラノビアのサンデーサイレンス産駒“ワンツースリー”で決着した。ちなみにこの年は6着デアリングハート、8着チアフルスマイル、11着ロフティーエイム、15着ジェダイト、16着アズマサンダース、17着ショウナンパントル、18着レクレドールもサンデーサイレンス産駒。当時、死後4年目の元祖モンスターサイヤーが最後に量的な面での圧倒的な支配力を示したレースだった。
以後の歴代優勝馬で血統表中にサンデーサイレンスの名がない馬は第4回ウオッカと第6回アパパネのみ。今年の出走予定馬の中にサンデーサイレンス血脈を持たない馬はいない。ほぼJRA芝G1全般に言えることながら、直子が払底した後も種牡馬サンデーサイレンスはさまざまな形で影響力を保持してきたわけだ。
一昨年のソングライン、昨年のテンハッピーローズ。直近2年の覇者には、それぞれの形でサンデーサイレンス3×4の近親交配が施されていた。最新トレンドともいえる“SSインブリード馬”には今年も一目置く必要があるだろう。
キタサンブラック産駒のラヴェルは3×3、アドマイヤマツリは3×4×4のSSインブリード馬。今回エントリーがあるダイワメジャー産駒アスコリピチェーノとボンドガール、ハーツクライ産駒サフィラとソーダズリングの“孫世代”と同じサンデーサイレンス血量25%を配合面の意匠によって確保した形となる。特にアドマイヤマツリは「SS3×3」のインブリードを持つ繁殖牝馬が産んだ初めてのグレード勝ち馬。サンデーサイレンス血脈の“錬金術”が生み出した大物かもしれない。 (サラブレッド血統センター)