「SS3×3」ボルドグフーシュ“宝塚父系”復活へ
2025年6月11日 05:30
安田記念ではサンデーサイレンス(SS)3×4の近親交配馬2頭のうちの1頭、ガイアフォースが2着に追い込んだ。今週の宝塚記念は父スワーヴリチャード、母の父ハービンジャー、祖母ランズエッジ以下の構成血脈が完全に一致するいとこ同士のアーバンシックとレガレイラ、父子制覇に挑むゴールドシップ産駒メイショウタバルの3頭が「SS3×4」。加えてキズナ産駒ジューンテイクとスクリーンヒーロー産駒ボルドグフーシュは、その上を行く「SS3×3」を内蔵している。
この5頭の中では、ボルドグフーシュだけがサンデーサイレンスの血を3代父としてではなく、父のBMSに持っている。「SS3×4」だった昨年の優勝馬ブローザホーン(父エピファネイアのBMSがSS後継スペシャルウィーク、母の父がSS後継デュランダル)と同じパターンである。
種牡馬スクリーンヒーローは“SSインブリード”の開拓者ともいえる存在で、当時は極めて先鋭的だった「3×3」で16年の札幌2歳S勝ち馬トラストを送り出した。21年には再び「3×3」のクールキャットがフローラSに優勝。ボルドグフーシュと同期で「3×4」のアートハウスもローズSと愛知杯を制している。
99年の優勝馬である父系祖父グラスワンダーは、11年のアーネストリーでレース史上初の父子制覇を達成した。父スクリーンヒーローも8年前の2着馬ゴールドアクターを出した実績がある。持ち出しの米国産サンデーサイレンス産駒レイマン経由のユニークなSS3×3は“宝塚記念父系”復活の起爆剤となり得る。(サラブレッド血統センター)