ダノンスマッシュ 3代続くG1父系の遺伝的な突破力
2025年7月9日 05:30
【2歳新種牡馬紹介(4)】
ダノンスマッシュ 2015年生まれ 鹿毛 新ひだか産 父ロードカナロア、母スピニングワイルドキャット(母の父ハードスパン)中央、香港で26戦11勝 主な勝ち鞍は香港スプリント、高松宮記念、京王杯スプリングC、セントウルS 2歳産駒106頭。
香港スプリント、高松宮記念のG1・2勝を含むグレード8勝を挙げた父子2代のスピードスター。3歳秋の京阪杯で重賞初制覇を飾り、4歳初戦のシルクロードSも連勝。続く高松宮記念で1番人気に反したところまで父ロードカナロアの蹄跡をなぞった。以後は国内外のG16戦不敗を通した父とは対照的に、5歳秋のスプリンターズSまで計G16連敗を喫したが、ムーア騎手とのコンビで臨んだ2度目の香港スプリントを快勝。歴代優勝馬のほとんどを去勢馬が占める同レース史上初の父子2代制覇を果たした。6歳時も現役を続行し、三度目の正直で高松宮記念に優勝。デビュー23戦目にしてキャリアハイとなるレーティング116を獲得している。
祖母のハリウッドワイルドキャットは、BCディスタフなどG13勝を含む通算21戦12勝のタフな戦績を残した名牝。本馬が発揮した成長力と打たれ強さは、この祖母由来の資質でもあるのだろう。父系祖父キングカメハメハから3代続くG1父系の遺伝的な突破力は、ひと足先に種牡馬デビューしたサートゥルナーリアによっても実証された。現役時代同様、種牡馬としても偉大な父ロードカナロアのトレースを期待したい。 (サラブレッド血統センター)