【安田記念】“奇跡の血量”持つガイアフォース&マッドクールに熱視線

2025年6月4日 05:30

 今春のG1戦線ではサンデーサイレンス(SS)のインブリードにフォーカスしてきた。安田記念の“SSインブリード馬”は2年前の当欄でも取り上げたガイアフォース。最新のダービーサイヤーとなったキタサンブラック産駒で、安田記念サイヤー(04年ツルマルボーイ)である祖母の父ダンスインザダークを経由した「SS3×4」を内蔵する。22、23年連覇のキズナ産駒ソングラインも同じ「SS3×4」だった。2年連続小差4着の実績を見直す必要があるだろう。

 今年の出走馬にはもう1頭、奇跡の血量とされる「18・75%」の近親交配馬がいる。昨年の高松宮記念優勝馬マッドクール。昨年の安田記念優勝馬ロマンチックウォリアーの父でもある父系祖父アクラメイションのBMSにして、母マッドアバウトユーの父インディアンリッジの父。欧州競馬で雑草的な存在感を放つ異系血脈アホヌーラの3×4である。

 マッドクールの父ダークエンジェルは昨年の英愛チャンピオンサイヤー。代表産駒のチャリンは、マイルG13勝を挙げた全欧古馬チャンピオンで、引退レースに選んだマイルCSでも地力の片りんを示したことは記憶に新しい。ちなみにチャリンはアホヌーラの4×5。このインブリードはダークエンジェル産駒の配合面の切り札でもあるのだろう。

 02年ジャパンCにも出走(11着)した祖母イリジスティブルジュエルは12Fの英G2勝ち馬で、その父デインヒルは00年代に猛威を振るった安田記念の縁起物的血脈。新馬以来となるマイル戦で新味が出る可能性は十分にある。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム