【オークス】サンデー「2×4」のカムニャック

2025年5月21日 05:30

 「サンデーサイレンス血量25%」がキーワードと読んだヴィクトリアマイルはよりストレートな“孫世代”のダイワメジャー産駒アスコリピチェーノが快勝した。オークスにも数少なくなった「サンデーサイレンスの孫」のエントリーがある。フローラSで出走権を勝ち取ったカムニャックはサンデーサイレンス唯一の現役後継種牡馬、ブラックタイドの第13世代である。

 カムニャックはブラックタイド産駒の一枚看板というべき名馬キタサンブラックと母の父サクラバクシンオーも共通する。ちなみに同配合の血統登録産駒は現2歳世代の2頭を含めて累計43頭。成功パターンの踏襲は馬産の古典的メソッドで、父の産駒では「母の父キングカメハメハ」の63頭に次ぐ定番配合となっている。

 “二匹目のどじょう”となったカムニャックの血統構成で特筆すべきは、3代母の95年オークス馬ダンスパートナーを経由したサンデーサイレンス2×4のインブリード。血量50%の直子が姿を消して以降、カムニャックは最も濃度の高い「サンデーサイレンス31・25%」のグレード勝ち馬なのである。

 競走馬として長くサンデーサイレンス牝馬のアイコン的存在だったダンスパートナー。繁殖成績は先細り気味で、子孫のオークス出走はカムニャックが初めてだが、47年オークス馬トキツカゼが半世紀を経た99年オークス馬ウメノファイバーの5代母となった例もある。「2×4」のインブリードによって復元されたモンスターサイヤーの“長女”の血は、東京2400メートルで強力なアドバンテージとなり得るだろう。 (サラブレッド血統センター)

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