【天皇賞・春】実は長距離向く父を持つサンライズアース
2025年4月30日 05:30
天皇賞・春の過去10年の父馬別勝利数はディープインパクト4勝、ステイゴールド2勝、ブラックタイド2勝、ドゥラメンテとリオンディーズが各1勝。父系祖父にさかのぼるとサンデーサイレンス8勝、キングカメハメハ2勝となり、サンデーサイレンス系の8勝のうち6勝は母ウインドインハーヘアの全兄弟サイヤーによって占められている。現代の競走体系において亜空間に近い超長距離部門では、よりダイナミックに血統面の専門職化が進行しているという見方もできるだろう。
前哨戦の阪神大賞典を圧勝したサンライズアースは日本ダービー馬レイデオロの初年度産駒。昨年の覇者テーオーロイヤルの父リオンディーズ、3年前の覇者タイトルホルダーのドゥラメンテと、サンデーサイレンス系のお株を奪う勢いのキングカメハメハ後継種牡馬である父レイデオロは、3代母がウインドインハーヘア。血統構成は近年の天皇賞サイヤーの“いいとこどり”というべきで、初年度産駒からは本馬の他にも菊花賞3着のアドマイヤテラが出た。現役時に走ることのなかった3000メートル級が種牡馬としての本領だったわけだ。
母の父マンハッタンカフェは、競走馬として02年に優勝し、父として11年の優勝馬ヒルノダムールを出し、昨年優勝馬テーオーロイヤルの母の父となった。こちらは四半世紀にわたって存在感を放つ春の天皇賞のアイコン的血脈である。サンライズアースにとって祖母ハルーワソングを共有するいとこにあたるシュヴァルグランが16年3着、17、18年2着と、あと一歩届かなかった因縁のタイトルでもある。血統的雪辱戦という観点からも勝負懸かりの一戦だ。 (サラブレッド血統センター)