15年の1~3着の産駒 アロヒアリイが“2世対決”を制す

2025年4月16日 05:30

 15年皐月賞を勝ったドゥラメンテは没後の23年にチャンピオンサイヤーとなり、2着リアルスティール、3着キタサンブラックはそれぞれのジャンルで世界ランキング首位の超大物を送り出した。皐月賞の上位3頭が後に種牡馬入りすることはままあるが、そろってこれほどの成功を収めたケースは空前であり、おそらく絶後となるだろう。

 今年の皐月賞にはG1サイヤーとなった15年皐月賞の1、2、3着馬がそろって産駒を出走させる。キタサンブラックは不敗の2歳王者クロワデュノールと父系3代スプリングS制覇のピコチャンブラック。リアルスティールは中山芝2000メートルの2歳レコードホルダーでもあるヴィンセンシオ。そしてドゥラメンテはマスカレードボール、アロヒアリイ、キングスコール、ジュタの4頭が出走ラインをクリアしている。ほとんど奇跡に近い巡り合わせで実現した10年ぶりの血統的リターンマッチである。

 21年8月に9歳で早世した種牡馬ドゥラメンテにとって、血統登録95頭の現3歳は最後の世代。歴史的とも言えるリターンマッチも今回が最初で最後で、日本ダービーともども父子制覇ラストチャンスとなる。弥生賞ディープ記念3着で出走権を得たアロヒアリイは、3代母グレースアドマイヤの半弟に09年の覇者アンライバルド、祖母スカーレットの半兄に07年の覇者ヴィクトリーがいる往年の皐月賞ファミリー出身。母の父は東京開催だった11年覇者でもある3冠馬オルフェーヴルで、父子制覇の最終兵器ともいえる血統構成。“2世対決”で10年前の再現があるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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