【日本ダービー】今週はSS「3×3」を持つ2頭出番

2025年5月28日 05:30

 桜花賞馬エンブロイダリーはサンデーサイレンス3×4で皐月賞馬ミュージアムマイルは4×3、NHKマイルC2着のマジックサンズもサンデーサイレンス3×4。オークスのカムニャックはサンデーサイレンス2×4の変則的かつ濃度の高いインブリード馬だった。現3歳世代は恐らく“SSインブリード”のさまざまな意味での転換点となるだろう。

 日本ダービーにはミュージアムマイルを含め7頭の“SSインブリード馬”がエントリー(トッピボーンは抽選対象)している。中でも異彩を放つのはドゥラメンテ産駒のマスカレードボールとファイアンクランツ。前者はディープインパクト、後者はハーツクライと、どちらも母の父にサンデー後継のダービーサイヤーを据えたサンデーサイレンスの「3×3」である。

 ドゥラメンテは10年前、父子2代のレースレコードで2冠を達成し、生産部門でも内国産種牡馬として初の父子2代のチャンピオンサイヤーとなったが、21年種付けシーズン終了後に9歳で早世しており、血統登録95頭の現3歳が最終世代。フライング気味に施された「3×3」は結果的に、“父系3代ダービー制覇”のラストチャンスに向けた配合面での奥の手となった形だ。

 95年英ダービー馬ラムタラはノーザンダンサー2×4で、和製ラムタラと称された翌96年の日本ダービー馬フサイチコンコルドはノーザンダンサー3×3。歴史的大種牡馬の血脈にはインブリードへの特別な耐性が備わっている。サンデーサイレンスもオークスのカムニャックによって“濃度”のハードルが一気に引き下げられた。今週は「3×3」の出番かもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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