【桜花賞】平成のG1ファミリー出身チェルビアット 血統的存在能力高く穴候補
2025年4月9日 05:30
2020年代の桜花賞馬5頭の3代血統表には明快な共通項がある。20年デアリングタクト、21年ソダシの母の父にして、22年スターズオンアース、23年リバティアイランドの父系祖父であり、24年ステレンボッシュの母父父でもあるキングカメハメハ。ディープインパクト産駒が席巻した10年代にも父として10年アパパネ、15年レッツゴードンキと2頭の優勝馬を出し、18年アーモンドアイの父系祖父となったキングカメハメハは、今なおフィクサー的な立ち位置から桜花賞に影響力を保持しているのである。
ところが今年は2歳女王アルマヴェローチェ以下、エリカエクスプレス、エンブロイダリー、クリノメイ、ショウナンザナドゥ、ブラウンラチェットと、重賞勝ちのある主力級が軒並み“マストアイテム”ともいえるキングカメハメハ血脈を持たない。血統的には波乱の要素が少なからずある。
キングカメハメハ後継のロードカナロアはダンツエラン、チェルビアット、ランフォーヴァウの3頭出し。桜花賞とは前記アーモンドアイ以降、縁がないのだが、フェブラリーS、高松宮記念、そして大阪杯と、全くジャンルの異なるJRA・G1・3連勝中という今の勢いは無視できないだろう。
フィリーズレビュー2着のチェルビアットは、ジャパンCと秋華賞に優勝したショウナンパンドラの11歳違いの半妹。母キューティゴールドの半兄に名馬にして名種牡馬のステイゴールド。祖母ゴールデンサッシュの全兄に最優秀スプリンター・サッカーボーイがいる平成のG1ファミリーの出身。14番人気での大駆けだった前走のパフォーマンスは血統的潜在能力のたまもの。母の父フレンチデピュティは08年桜花賞を12番人気で制したレジネッタの父で、母の父としてはBCディスタフのマルシュロレーヌという牝馬G1の歴史的大穴を叩き出した実績がある。穴ならこの馬だ。(サラブレッド血統センター)