インディチャンプ決定力に期待 キセキは究極の全天候型で存在感

2025年7月30日 05:30

 【2歳新種牡馬紹介(7)】
 インディチャンプ 2015年生まれ 鹿毛 安平産 父ステイゴールド、母ウィルパワー(母の父キングカメハメハ)中央、香港で23戦8勝 主な勝ち鞍は安田記念、マイルチャンピオンシップ、マイラーズC、東京新聞杯 2歳産駒67頭。

 ステイゴールドの牡馬では変異種というべき純正マイラー。本格化した4歳時に安田記念、マイルチャンピオンシップの同一年マイルG1完全制覇を達成し、ダブル連覇を逃した5歳時もそれぞれ牡馬最先着で前王者の面目を施した。2階級制覇に挑んだ6歳時の高松宮記念3着を含め、現役23戦で掲示板を外したのは4歳時の香港マイル(7着)のみ。スピード能力だけでなく父の産駒らしい耐久性も一級品。今のところステイゴールド最後の平地G1ウイナーで、父系の事実上のアンカーであると同時に、「種牡馬の母の父」としてのキングカメハメハの本格的デビュー作でもある。遺伝面での“決定力”が期待される立場だ。

 キセキ 2014年生まれ 黒鹿毛 日高産 父ルーラーシップ、母ブリッツフィナーレ(母の父ディープインパクト)中央、香港、仏国で33戦4勝 主な勝ち鞍は菊花賞 2歳産駒50頭。

 歴史的な極悪馬場だった菊花賞が唯一の重賞タイトルだが、2着に逃げ粘ってアーモンドアイの大レコードを誘発したジャパンCなど、G1戦線で長く存在感を放った。そのジャパンCの走破タイム、芝2400メートル2分20秒9は恐らく牡馬の世界記録。種牡馬としても究極の全天候型とみておきたい。こちらは「母の父ディープインパクト」の影響力を占うサンプルでもある。(サラブレッド血統センター)

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