レーベンスティールに父リアルスティールの凄み
2025年11月19日 05:30
毎日王冠を快勝したレーベンスティールの次走が天皇賞ではなく、マイルチャンピオンシップと報じられた時の率直な心情は「残念」だった。昨年、8着に終わった秋の天皇賞は、母の父トウカイテイオーが92年、その父シンボリルドルフが85年、どちらも1番人気で敗れた因縁のG1。今年こそは41年越しの雪辱を期待していたからなのだが、もちろん、これは単なる私的な思い入れに過ぎない。あえて“鬼門”に突っ込むより、血統に潜在する可能性を踏まえても最適解といえるターゲットだろう。
種牡馬トウカイテイオーが父として送り出した唯一のJRA古馬G1ウイナーは02年、単勝11番人気でマイルチャンピオンシップを制したトウカイポイント。レーベンスティールの母トウカイライフは、この23年前の優勝馬とBMSリアルシャダイも共通する同配合なのである。ちなみにトウカイテイオー×リアルシャダイの組み合わせは、他にも皐月賞3着のチタニックオー、マーメイドS3着のアースシンボルといった上級馬を生んだニックス。JRAでサウジアラビアRCに優勝し、移籍したオーストラリアでG12勝、さらに種牡馬としてもG1サイヤーに上り詰めたブレイブスマッシュは、母のトーセンスマッシュの配合がトウカイテイオー×リアルシャダイだった。G1ニックスの効力は母馬としても温存されているということだ。
父のリアルスティールは、マイルチャンピオンシップの歴代最多勝(6勝)サイヤーであるサンデーサイレンスから同歴代2位の5勝を記録したディープインパクトに連なる“最重要父系”の3代目。先週は同じコースのデイリー杯2歳Sで、この父の産駒アドマイヤクワッズがレコード勝ちを収めた。“フォーエバーヤングの父”には、今週もターフサイヤーとしての凄みを見せつけてもらおう。 (サラブレッド血統センター)