【有馬記念】レガレイラの“対立軸”にテラ浮上
2025年12月24日 05:30
血統予想は突き詰めていけば経験則の積み重ね。その意味では昨年の優勝馬レガレイラが最先端の“グランプリ血統”ということになる。レガレイラの父スワーヴリチャードは、一昨年の優勝馬ドウデュースの父であるハーツクライの後継種牡馬。自身は有馬記念を2度走って4、12着に終わったが、05年有馬記念で無敗の3冠馬ディープインパクトに国内唯一の黒星をつけた父の“キラー属性”を種牡馬として発揮した形だ。母のロカは06年有馬記念で有終の美を飾ったディープインパクトのめい、ダンスインザダーク産駒ランズエッジの娘。レガレイラの血統を端的に表現すれば、ハーツクライとディープインパクトの間接的ハイブリッドともいえるだろう。
グレード2連勝中の昨年の覇者を血統的な仮想敵に見据えた場合、対立軸として浮上してくるのがアドマイヤテラ。クイーンC勝ち馬にしてオークス3着の母アドマイヤミヤビはレガレイラのはとこで、母の父としても21年の優勝馬エフフォーリアを出した実績がある前記ハーツクライ産駒。いわば“有馬記念ハイブリッド”を先取りしていたこの母は、父レイデオロともはとこの関係にあり、双方共通の3代母である名牝ウインドインハーヘア(=ディープインパクト&ブラックタイドの母)が4×4のインブリードによってブーストされた配合となる。重賞タイトルはG2目黒記念のみという実績面の劣勢をはね返す可能性を秘めた血統構成だ。
父のレイデオロは1番人気に支持された7年前、ブラストワンピースに首差で敗れた。キングカメハメハ系の有馬記念鬼門説の決定打になった馬であると同時に、最もジンクス打破に接近した馬でもある。02、03年連覇のBMSシンボリクリスエスの威光は代を経ても不変。種牡馬としてのリベンジは十分にあり得る。(サラブレッド血統センター)