【朝日杯FS】父母ともに“2歳戦仕様”のアドマイヤクワッズ
2025年12月17日 05:30
重賞勝ち馬不在で争われた阪神JFから一転、今週の朝日杯FSには不敗のマイル重賞ウイナー3頭が勢ぞろいした。中でも血統背景を掘り下げておきたいのがデイリー杯2歳Sをレコード勝ちしたアドマイヤクワッズ。“世界のダート王”フォーエバーヤングの父リアルスティールの第4世代である。
リアルスティール産駒のアイコンであるフォーエバーヤングは2歳ダートの国内最高賞金競走・全日本2歳優駿でデビュー3連勝をワンサイドで飾り、翌春の3カ国ダービー行脚に弾みをつけた。国際舞台での華々しい活躍の陰で忘れられがちだが、2歳時から既に世代最強クラスのパフォーマンスを発揮していたわけだ。天才肌のキャラクターも種牡馬リアルスティールの伝える資質の一つなのだろう。
加えてアドマイヤクワッズは母系の血脈も2歳戦仕様。母の父ゾファニーは2歳時にG1フェニックスSを含む7戦5勝とフル稼働した馬で、3歳時は未勝利に終わったものの、セントジェームズパレスSで同期フランケルを3/4馬身差まで追い詰め、不敗の怪物にグレードレースで最接近した馬としても後世に名を残すこととなった。ちなみにゾファニーは母の父として日本の競馬に特異な適性があり、繁殖登録された7頭の輸入牝馬のうち、既にアドマイヤクワッズの母デイトラインを含む3頭までがグレード勝ち馬を生んでいる。
アドマイヤクワッズの3代母の父アラジはフランスでG1・3勝を含む6連勝、さらにBCジュベナイルを5馬身差で圧勝し、ワンダーホースの異名を取った1991年の全欧&北米2歳王者。種牡馬として成功したとは言い難い“伝説の2歳チャンピオン”の大復活にも期待してみたい。(サラブレッド血統センター)