【ジャパンC】カランダガン 母系譲りの“日本馬キラー”

2025年11月26日 05:30

 今年のジャパンC唯一の外国招待馬カランダガンは先週、欧州競馬の年度表彰・カルティエ賞の年度代表馬に選出された。13日付で更新された世界ランキングの“暫定世界王者”に新たな勲章が加わったわけだ。

 ちなみに当該年の欧州年度代表馬のジャパンC参戦は92年ユーザーフレンドリー(6着)、96年エリシオ(3着同着)、06年ウィジャボード(3着)以来19年ぶり4頭目。“暫定世界王者”の出走は、世界ランキングに現行の中間発表が取り入れられた08年以降、14年ジャスタウェイ(レーティング130)、23年イクイノックス(同129)に次いで3度目で、海外調教馬としては初となる。距離区分「I」で得たプレレーティング130は前記ジャスタウェイと並ぶ08年以降の最高値。相対的にも絶対的にもジャパンC史上最上級の大物招待馬である。

 カランダガンは今年2月4日、88歳で死去した世界的ホースマン、アガ・カーン4世殿下の生産所有馬。ガリレオ後継の父グレンイーグルスは英、愛2000ギニー、セントジェームズパレスSなどG14勝の一流マイラー。この父は種牡馬としてむしろ2000メートル以上に強く、カランダガンの同世代からは独ダービー馬パラディウム、3100メートルの仏G1ロワイヤルオーク賞勝ちのアローイーグルが出ている。カランダガン自身、“キングジョージ”、サンクルー大賞など2400メートル級の実績は分厚い。

 東京の高速馬場への耐性という観点から見逃せないのは、祖母の父アクラメーションの実績。同馬は90年代の輸入種牡馬、ワージブの在愛時の産駒ロイヤルアプローズが一子相伝的に命脈をつないだ成功種牡馬で、昨年の安田記念で代表産駒ロマンチックウォリアーが香港最強馬の貫禄を見せつけたのは記憶に新しい。今回は母系に潜んで“日本馬キラー”をサポートする可能性大だ。(サラブレッド血統センター)

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