競走馬育成ゲームを“リアル”で発信
2019年8月16日 05:30 【大いに気になる】大井初日の11日3Rで3着だったファニーフラッシュ(牝3=大井・福田)。同馬は競走馬育成ゲームを“リアル”でやろうという動画配信サイト・ニコニコの企画「リアルダービースタリオン」の対象馬の1頭だ。同企画ではゲーム同様、1頭の競走馬を種付け&出産から育成することも並行して行われている。
その舞台である北海道新ひだか町の藤沢牧場を今夏訪れた。同牧場では大井でデビュー予定のシュシュブリーズの2019(牝、父クロフネ)が3月18日に誕生。「平均より大きめで管骨が太い。順調に育っています。人懐っこいけど頑固なところもあって自分の世界があるタイプ。9月に離乳予定です」。常務取締役の藤沢亮輔さん(34)が馬房でくつろぐシュシュ親子に優しい笑顔を向けながら話を聞かせてくれた。
昨春に生まれた子馬は体が弱く死んでしまった。“リアル”だけにリスクがあることも赤裸々にファンに伝える。そんな大役を担う藤沢さんは生産に携わる一人として「競馬を知っているけど生産のことまでは知らないファンに、知ってもらいたいと思った。難しいこともあるが奥のある仕事。楽しみや喜びがあることを見て、この業界で働く人が増えてくれればうれしい」と思いを明かした。
多くの人の思いがつながって競走馬はデビューする。子馬の成長を楽しみに見守っていきたい。(秋田 麻由子)