【オークス】デゼル、最速女王へ最高仕上げ!低重心迫力満点
2020年5月21日 05:30 無敗Vを狙うのは桜花賞馬デアリングタクトだけじゃない――。牝馬3冠第2ラウンド「第81回オークス」(24日、東京)の追い切りが20日、東西トレセンで行われ、デビュー2連勝中のデゼルが栗東坂路で絶好の仕上がりをアピール。樫戦線に現れた超新星が、万全の態勢で最少キャリアVに挑む。同レースは21日に出走馬、枠順が決定する。
デゼルの最終リハは坂路単走で4F54秒2~1F12秒6。数字自体は平凡でも、低いフォームで迫力満点の走りには大物感が漂っている。
「前走から間隔も詰まっているし、東京への輸送もある。今日は馬なりでサラッとやったのは予定通り」
友道師はこともなげに話したが、見逃せないのが17日(日曜)の実質的な本追い切りだ。重馬場のCWコースで意欲的な3頭併せを敢行。ビッシリ追われて6F82秒3~1F11秒7で先着した。
デビュー2連勝を飾ったスイートピーSから中2週で再度の東京遠征。常識的にはサラッと流して不思議ないところだが、あえて攻めた。大江助手は「前走を使った後に体調、雰囲気を観察してじっくり立ち上げたんですが、思ったよりダメージがなかった。硬くなることもなく、そんなところにも成長を感じますね」と中間の好気配を伝える。
デビューして、わずか71日目で踏むG1の舞台。Vならキャリア3戦目は史上初、デビュー71日目も82年シャダイアイバー(78日目)を超えるオークス最速記録となる。もちろん条件は厳しいが、スイートピーSの完勝はどんな壁も軽く越えてしまうのではと思わせた。メンバー最速の上がり3Fは驚異の32秒5。同2位とは0秒8差だからまさに次元の違う脚。師も「素晴らしい脚だった」と手放しで称えた。ダービー2勝を誇る牡馬3冠トレーナーも、牝馬クラシックは未勝利。「母はフランスのオークス馬。その娘で勝ちたいね」と“母娘オークス制覇”への意気込みを口にした。
引き続き手綱を取るのは23日から7月21日まで再度短期免許を交付されたレーン。豪州の若き名手も「ポテンシャルが高い。距離2400メートルは問題ない」と素質にお墨付きを与える。馬名はフランス語で「翼」の意。未到の頂へ、府中の長い直線を飛んでみせる。