「絶対」はある!皇帝ルドルフ伝説幕開け 空に掲げた2本指は史上初無敗3冠への確信

2020年5月27日 06:00

第51回日本ダービー、無敗での2冠制覇を達成し、ファンの声援に応えるシンボリルドルフと二冠をアピールする鞍上の岡部幸雄騎手。中央競馬史上初の無敗の3冠馬。

 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~日本ダービー編~】昭和、平成の名場面を本紙秘蔵写真で振り返る「Lega―scene(レガシーン)」。日本ダービー編の第3回は、1984年5月27日に開催された「第51回ダービー」。“皇帝”シンボリルドルフが単勝1・3倍の圧倒的な支持に応え、デビュー6連勝で頂点に立ちました。無敗2冠制覇は51年トキノミノル、60年コダマ以来24年ぶり史上3頭目。菊花賞で史上初の無敗3冠を達成する昭和の最強馬伝説の幕開けでした。

 24年ぶり無敗2冠が懸かるダービーも通過点だった。
 11万観衆が見守るダービー表彰式。
 岡部幸雄は“皇帝”と呼ばれるサラブレッドの上で誇らしげに2冠を示す2本指を掲げた。
 その名は神聖ローマ帝国の皇帝ルドルフ1世にあやかった。
 同世代の1年先を行くような肉体と精神力。
 皐月賞までのデビュー5戦、ノーステッキのまま完勝劇を続けてきた。
 競馬に絶対はないが、ルドルフには絶対がある。
 ファンはもちろん、岡部さえそう信じた。
 だが、行きっぷりが悪い。
 同じ単枠指定のビゼンニシキにも離された。
 3角が近づいても中団馬群の中でもがいている。
 いつもと違う。
 焦りを感じた鞍上から生涯初のムチ。
 反応がない。
 育ての親とも言うべきシンボリ牧場・和田共弘オーナーが馬主席から双眼鏡を向けながらうめいた。
 「駄目だ」
 皇帝が自ら動いたのは、そのうめき声がスタンドの悲鳴にかき消された直後だった。
 重心を低く下げてギアがトップに入る。
 岡部は馬上で皇帝の声を聞いたような気がした。
 すぐに追いつくぞ。しっかりつかまっておけ。
 当時のサラブレッドの平均完歩(7メートル30)を大きく上回る8メートル70のストライド。先行勢に並ぶ。一瞬にして突き抜けた。
 どこまで賢いんだ。彼はゴールから逆算しながら走っていた。
 岡部は皇帝の上で掲げた2本指が半年後には3本指になると確信した。
 史上初の無敗3冠への通過点だった。

 【岡部に野平師に初タイトル】シンボリルドルフは名手・岡部幸雄にダービージョッキーの称号をもたらすと同時に、管理した“ミスター競馬”野平祐二調教師に初のダービータイトルをプレゼントした。ミスター競馬のダービー未勝利は当時の競馬七不思議に数えられたが、騎手時代から通算30頭目の挑戦で宿願を達成。その後、ルドルフは史上初の7冠馬になり、86年に引退、種牡馬入り。産駒のトウカイテイオーが91年ダービーで父子無敗2冠制覇の快挙を成し遂げた。

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